全学連三里塚現地行動隊日誌 市東農地決戦の先頭に立つ 香港と連帯しよう 農民会議総会に参加 全学連三里塚現地行動隊長 今井治郎
週刊『三里塚』02頁(1034号02面03)(2020/02/24)
全学連三里塚現地行動隊日誌
市東農地決戦の先頭に立つ
香港と連帯しよう
農民会議総会に参加
全学連三里塚現地行動隊長 今井治郎
(写真 東京入管包囲デモに立つ全学連行動隊【2月11日 東京・港区】)
1月が行ってしまい、油断すると2月も逃げてしまいそうです。立春が過ぎた現地は、一瞬寒さが戻ったかと思えば、今では昼間はすっかり春の陽気。暖かい日射しと適度な水分で葉物はぐんぐんと伸び、冬野菜には糖立ちが目立ちます。トンネル状にビニールをかけた春大根や人参が高温で焼けてしまわないか、日々の気配りと点検、農家としての経験が試されます。農作業するには気持ちのいいこの季節、春休み中の学生のみなさんも童心に帰って土いじりなどいかがでしょう。
2月9〜10日に新潟県で行われた全国農民会議の第8回総会に参加しました。総会が私の出身地の新潟県で開催されたのは嬉しいの一言、雪景色と温泉を満喫できたことには満足、地元の農家が多く駆けつけたことには勇気づけられました。
今回の総会で特に印象的だったのは、1日目の講演集会に参加していた若者が将来は仲間と農家をやりたい、香港の人々と連帯したいと言った言葉です。時に「政治に無関心」と言われる若者像は必ずしも正しくないということ、教育の重要性を実感しました。
2日目には、福島で東京電力に対して農地の放射性物質を取り除くための裁判を訴えた農家を追った特集番組を鑑賞しました。昨年10月、福島地裁は「原発から飛散した放射性物質はすでに土と同化しているため、農家が所有している」という暴論で、この農家の訴えを退ける判決を出しています。総会には福島の農民や原発事故後から避難した人も参加していましたが、会場には怒りが充満していました。
帰りに立ち寄ったそば屋で、地元・小千谷市の農民会議会員がふと発した「この辺りは柏崎刈羽原発から30㌔メートルくらいだよ」という言葉には、背筋が寒くなる思いでした。
2012年に251万人いた日本の農業就業者は19年には168万人、TPPやEPAなどの自由貿易協定の導入で、農家は「生き残るための農業」を強制されています。安倍農政に展望がないことに気づきつつも、どうしても「うまくやること」を主眼に置かざるを得ません。
そう考えたとき、全国農民会議が「国策に抗して不屈非妥協で54年」闘い続けている農民運動である三里塚闘争に取り組み続けているということが、非常に重要だと感じました。千葉県匝瑳市で米農家を営む小川浩共同代表も「農民が何で商人までやらなきゃいけないんだ。食料を作ることで生きられないなんておかしい」と、今日強制されている農業への違和感を表明していました。
人間は食べることなしに生きることはできません。今回の総会で168万人の農民が労働者とともに、社会を変えるために立ち上がることこそ、農民が生き残っていく道だと確信を深めました。そしてそれは同じく競争を強いられている学生も同じだと。
全国の労働者・農民・学生は、3・25―27請求異議裁判〜3・29三里塚全国集会に集まり、今春の職場・キャンパスでの闘いに躍り出よう!