団結街道
週刊『三里塚』02頁(1034号01面07)(2020/02/24)
団結街道
「一人の百歩よりも百人の一歩」。組織の運営をしようとする人なら誰もが心がけるべき金言だ。最近、大学時代の恩師の雑談めいた講義を思い出した▼歴史的にリーダーとみなされてきた人々の共通の資質を列挙するところからリーダーシップ(指導部)論の研究は始まった。だが、どれだけ多くのリーダーを因数分解し、その共通の因子を探し出そうとしてみても普遍的なリーダー因子のようなものは見つからない▼歴史的条件や文脈が異なれば、当然にも優秀なリーダーの資質は変わりうる。周囲の反対にも頑なに意思を貫き成功したリーダーと状況にあわせて変化して成功したリーダーの共通の因子を取り出すことは困難だろうし、取り出したところで意味もないように思える。だから、そういうリーダーシップ研究はやめた方がいいと▼ただ、学校教育の現場における校長のリーダーシップについては以下のことがよく指摘される。知識や経験が豊富で判断にも優れた校長は現場に細かく口を出す。結果、問題の解決はかえって遅れる。他方、口を出さず現場の教員に任せる校長の方が学校全体の雰囲気はよくなり問題も早く解決すると▼校長と教員間の信頼関係が学級経営にも影響する。信頼されていない教員は子どもを信頼することもない。教育の本質は弟子が師匠を乗りこえることにこそある。その際、師匠に求められるのは自分を乗りこえるであろう弟子への敬意だ。