明日も耕す 農業問題の今 破綻した安倍「成長戦略」 農林業支援機構を廃止
週刊『三里塚』02頁(1031号02面04)(2020/01/13)
明日も耕す 農業問題の今
破綻した安倍「成長戦略」
農林業支援機構を廃止
1月1日、日米貿易協定が発効した。小手先の弥縫策などうまくいかない。農業つぶしが加速度的に進行する一方で、成長戦略もうまくいっていない。もはや安倍政権は、ウソとペテンで農民をだますことはできない。
破綻の実態を日本農業新聞の記事から俯瞰してみたい。
「作付面積2・6万㌶減」(11月16日)
田畑の作付面積が延べ404万8000㌶となり(2018年)、前年から2万6000㌶減少した。比較可能な1955年以降最低を更新した。食料・農業・農村基本計画は、作付面積を2025年に443万㌶まで増やすことが必要としていたが、目標との開きがさらに拡大した。
「農地減少、政府想定上回る」(12月14日)
2015〜19年に発生した荒廃農地は7万7000㌶、農地転用は7万5000㌶で、それぞれ農水省想定の2・5倍、1・5倍のペース。農地は1961年をピークに一貫して減少し、2019年は439万7000㌶まで落ち込んだ。食料・農業・農村基本計画に掲げる25年の確保目標440万㌶をすでに下回っている。
「農業労働力 想定外の減 高齢離農続き7万人の減」(12月21日)
5年に1度の農林業センサスをもとにした最新の2015年の農業就業者数は196万人で、現行の食料・農業・農村基本計画での政府想定を7万人下回っている。
いずれも安倍政権による農業破壊が制御できないまでに進行していることを示すもので、許しがたい。では安倍政権の掲げる「強い農業」はうまくいっているのか。
進まぬ新規投資
「特定技能半年 農業31人伸び悩み」(11月14日)政府は農業で初年度、最大7300人が特定技能で雇用される可能性があるとしていたが、4月から始まって半年、31人にとどまっている。(全体は11分野219人)
「農水省 A―FIVE廃止へ」(12月21日)
農水省は20日、同省所管の官民ファンド、農林業成長産業化支援機構(A―FIVE)を廃止すると発表した。2020年度末で新規投資業務を終了し、早期解散をめざす。投資が想定通り進まず、累積赤字が19年3月末時点で92億円に膨らんでいた。
労農連帯を強め
眼前に起きているのは「社会は恐るべき形で支配の崩壊が起きている」(田中康宏動労千葉顧問、「月刊労働運動」)ということだ。あらゆる場所、あらゆる分野で「このままでは大変なことになる」という危機感、怒りがあふれている。強い農業、輸出農業ではない取り組みも散見し始めた。明らかに新たな動きが始まっている。安倍政権への怒りの総決起は不可避だ。
この問題は農業だけの問題ではない。だからキーワードはやはり労農連帯だ。市東さんの農地を守る闘いを先頭にあちこちで団結をつくり、今年こそ安倍を倒そう。