全学連三里塚現地行動隊日誌 市東農地決戦の先頭に立つ 原発事故は終わらず 福島の家族を迎え 全学連三里塚現地行動隊長 今井治郎
週刊『三里塚』02頁(1031号02面02)(2020/01/13)
全学連三里塚現地行動隊日誌
市東農地決戦の先頭に立つ
原発事故は終わらず
福島の家族を迎え
全学連三里塚現地行動隊長 今井治郎
(写真 反対同盟と共に公聴会弾劾のデモ【12月14日】)
2020年が始まりました。予報通りの暖冬で、帰省先の新潟でも雪でなく雨が降っていました。先日立ち寄った南房総の道の駅に並んでいた白菜も、少し巻きがゆるくて、ああこちらも似たような気候なのかなと感じました。皆さんはこの年末年始、何をして過ごしましたか?
私は年明け、1月3~6日に千葉県南房総市で行われた「原発なくせ!ちばアクション/避難プロジェクト@ちば」の冬保養に参加しました。ちば保養は12年から毎年1月と7月に開催を続けて17回目、私は13回目の参加です。今回は福島から7家族を迎えました。
冬保養でいつもお世話になっている旅館が、昨年の台風で大きな被害を受けた南房総市にあることもあって開催が危ぶまれましたが、完全復旧までは道半ばの中、受け入れを決断してくれ、無事開催することができました。天候にも恵まれ、毎年恒例の砂浜での凧揚げやビーチサッカー、旅館の体育館での鬼ごっこやスタッフによる様々なパフォーマンスの披露、内房の海に沈む夕陽を見に行ったり夜は車座になってゲームをしたり交流したりと盛りだくさんの内容で、福島の家族と一緒ににぎやかな年初めを過ごしました。
3・11東日本大震災—福島原発事故から間もなく9年が経ちます。保養に参加する子どもたちの中にも、震災後に生まれたり、当時のことを覚えていない子がだんだんと増えてきました。今回、お風呂場でそういう話になって、「本当に困るのは子どもたちの世代だから、なんで保養に来ているのかって自分たちが伝えてかなきゃいけないよね」と一人のお父さんが話していました。
「3・11」をどう伝えていくのか、今年はそれが本当に問われる年です。安倍政権もマスコミも東京五輪を前にお祭り騒ぎです。「復興五輪」を掲げて3月終わりには原発事故の対応拠点だった福島県双葉郡にあるJヴィレッジから聖火リレーがスタートすることが計画されています。JR東日本はそれに先立って福島第一原発から3㌔のところを通る常磐線を全線開通を狙い、昨年末には試運転を行いました。しかし、電車が通っても人がたくさん集まっても、汚染水は増え続けるし、放射能汚染がなくなるわけではありません。
昨年12月24日に行われた成田空港の機能強化をめぐる公聴会でも同じような光景が繰り広げられました。成田市長・小泉一成や芝山町長・相川勝重といった連中は、「共存・共栄」や「地域振興」、「利便性」を声高に叫び、成田の空港機能強化を推進する立場を表明しました。しかし、いくらお金が落ちたところで、静かな空も、安心して子どもを育て暮らせるふるさとも返っては来ません。これに対して、反対同盟を代表して公述に立った伊藤信晴さんはじめ、「これ以上の騒音は許されない」と白紙撤回を要求する公述人が周辺住民から何人も現れています。
昨年は全世界で若者が立ち上がる年になりました。三里塚は原則を守りつつ54年、新たな青年・学生の未来を描き、合流をかちとれる闘争へと発展させていきたいと思います。その始まりとして1月16日、東京高裁に進撃しましょう!