三里塚裁判に駆けつけよう――市東さんの農地守る法廷での闘い
三里塚裁判に駆けつけよう
――市東さんの農地守る法廷での闘い
1月16日の請求異議裁判控訴審から、それぞれ重要な段階を迎えた三里塚裁判が連続して闘われる。裁判闘争は現地実力闘争と一体で国や空港会社(NAA)を追いつめる闘いだ。
5つの三里塚裁判の概況を確認したい。
◎請求異議裁判
東京高裁第4民事部(菅野雅之裁判長)
農地法裁判での不当判決確定に対し、天神峰と南台の農地明け渡しの強制執行を止める裁判。
この裁判を闘うことで現時点で3年も強制執行を阻んでいる画期的な闘いだ。18年12月の一審不当判決に対し控訴。
19年9月24日に始まった控訴審第1回では、一審千葉地裁・高瀬順久裁判長による判決を徹底的に批判し、農地取り上げ強制執行の不当性を全面的に明らかにした。1月16日の第2回以降の闘いは全く予断を許さない。早期結審=強制執行をめぐる攻防として構えなければならない。
◎耕作権裁判
千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)
NAAが市東さんの南台耕作地の一部を「不法耕作地」と決めつけて明け渡し請求を行っている裁判。
しかし、13年にわたる裁判で、土地の位置特定の誤りやNAAの証拠文書偽造を明らかにし、文書隠しを徹底的に追及して不法・違法の数々を暴いている。毎回NAAを追いつめる場になっていて、いまだ証人調べに入ることもできない。
市東さんの南台農地では、請求異議裁判と耕作権裁判の対象となる農地が混在しており、耕作権裁判は請求異議裁判と表裏一体で、その勝利的進展は農地取り上げを許さない大きな力となる。
◎新やぐら裁判
千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)
市東さんの天神峰農地に建つ反対同盟所有のやぐら・看板などの4つの物件について、NAAが反対同盟に対し「収去と土地の明け渡し」を求めて提訴した裁判。
だが、NAAにそんな請求の権利は一切ない。空港公団(後のNAA)は、市東家に無断で旧地主からの土地取得・買収を行い、そのことを17年間も隠し続けてきたのだ。とんでもない農地法違反であり、取得は無効であることが重大争点で、請求異議裁判や耕作権裁判とも重なる。
年度内結審をねらう内田裁判長の強権的訴訟指揮のもとで、昨年12月から証人調べが始まり、1月22日の法廷では市東孝雄さん、萩原富夫さん、太郎良陽一さんの証人調べが行われる。他方、黒野匡彦元NAA社長や用地買収の過程に関わった空港公団の証人の採用については、言葉をにごす裁判長の訴訟指揮との攻防になっている。
◎団結街道裁判
千葉地裁民事第3部(内野俊夫裁判長)
成田市が団結街道(市道)を廃止して違法に封鎖したことに対して、決定の無効と封鎖している妨害物の撤去を求める裁判。
団結街道は、市東孝雄さんが自宅と南台の耕作地を往復するために日常的に使用し、多くの近隣住民が通行していた道路で、成田市が2010年6月に暴力的に封鎖・廃止し、その土地を格安でNAAに売り飛ばしたことは暴挙以外の何物でもない。その違法性を徹底的に追及するのがこの裁判だ。
責任者である小泉一成成田市長の「政治判断」で廃道が決定したことが明らかになれば、当然にも違法・無効になる。2年にわたって市長の証人採用を求めているが、内野裁判長は、NAA・市と有無相通じて「絶対に市長を証言台に立たせない」という姿勢を改めず、採用をめぐる攻防が続いている。
◎第3誘導路裁判
千葉地裁民事第3部(内野俊夫裁判長)
国とNAAに対して、B滑走路の2500㍍への延長(2006年)、第3誘導路建設(2010年)という、「基本計画」を無視した二つの変更許可処分の違憲・違法性を追及し、国交省の許可決定の取り消しとB滑走路の使用禁止、飛行の差し止めを求めた裁判。
成田空港建設そのものを問う内容として展開され、現在は空港騒音の問題から第3滑走路建設など空港機能強化についても国やNAAを追及して闘われている。
すべての裁判が証人調べをめぐって、あるいは証人調べに向かって重大な局面を迎えている。どの裁判も農地を守る闘いとつながっている。
東京高裁、千葉地裁の裁判傍聴に集まろう。
さらに三里塚裁判支援運動への入会・協力を呼びかけたい。三里塚裁判闘争を支えよう。
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