大地の響き 投稿コーナー
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台風被害をのりこえ
茨城 小田紀之
9月の大停電の時、現闘の先輩方と連絡が取れずに心配していたら、7日間停電していたこと後で知りました。なので、怒りの10・13集会には必ず行くと決めていました。集会は中止でも現闘本部の修復や、畑での被害の復旧作業などをしようと10月13〜14日に援農に入りました。(写真)
初日の午後から、現地の事務所の2階で雨漏りした畳の運び出しと家具の移動を行いました。寝る部屋なのに床が濡れて家具もボロボロになっていて、1カ月間さぞかし落ち着かなかったと思いました。新しい畳が入るのに予算も時間もかかると聞いて、大事な拠点が完全復旧するまで支えたいと感じました。大工仕事もあって、階段にかかるトタン屋根の張替と雨で朽ちた柱の更新をしました。不安定な足場での木材のネジ止めはなかなか苦労しましたが、協力しあってカタチになるものを作り上げるのは達成感があり好きな仕事でした。
翌日は市東さんの畑でピーマン、シシトウ、ラディッシュの収穫をしました。無農薬のため虫食い被害が多かったり、赤く熟れたものや小さいものも多かったりして良品を見つけるのに苦労しました。
会員の人数分の野菜を確保するために全員の数を足したり、後からの不良分を引いたり計算するのが難しかったです。ラディッシュの収穫でも、大きさや虫食いに集中していると葉っぱの「お掃除」がおろそかになってしまうなど早さと正確さの両立には経験が必要だと思いました。
そんな中、予報より早く本降りの雨が降ってきたので、急いで屋内でできるタマネギの仕上げ作業に取り組みました。
食品に及ぶ規制緩和
千葉 大戸剛
10月5日に開かれた農業問題講演会で、新潟大学の伊藤亮司さんの話を聞き、食品検査基準の自由化に危機を覚えた。
輸入自由化は、食品のさまざまな基準の変更を前提とする。安全検査基準もその一つだ。食品の安全基準は、その地域の風土・文化など自然的・歴史的前提を踏まえて決められている。しかし、食品生産も利潤獲得を目的とする資本と食料を主要な生活手段とする労働者は、その安全基準において対立し、その行政的規制は根底的には両者の力関係によって規定されている。日本では、60年代の農薬や化学添加物による健康被害の発生が反公害闘争と重なり、基準は厳しめに設定されている。それがアメリカ流に変えられたらどうなるのか。
伊藤氏は、アメリカの食品異物混入基準の一例を挙げる。100㌘あたりで、マッシュルーム缶詰ではウジ虫20匹、トマトのピューレはハエの卵20個、マカロニにおいてはネズミの毛が4・5本まで「許される」。高熱で加工されるので問題ないというのだ。
私個人は、食事に虫の1〜2匹入ったところで大騒ぎはしない。しかし、販売目的の大量流通の食品基準を低めることは、別の次元だ。今でさえ、全国の食品監視員は400人で、検査率は8・8%。TPP協定国のものは48時間過ぎれば自動的に通関する。
日米物品協定は先に調印されたが、米国の「対日貿易交渉」の一部に過ぎない。これから本格的に進められる日米FTAでは、為替・投資・行政指導などの政策規制問題、貿易慣行・検疫などの制度改革に入っていく。日米FTAを粉砕しよう。