団結街道裁判 小泉市長の証人調べを 内野裁判長に迫る
週刊『三里塚』02頁(1027号02面03)(2019/11/11)
団結街道裁判
小泉市長の証人調べを
内野裁判長に迫る
(写真 内野俊夫裁判長 )
11月1日、千葉地裁民事第3部(内野俊夫裁判長)で団結街道裁判が開かれた。
天神峰の市東孝雄さんが自宅と南台の耕作地を往復するために日常的に使用していた団結街道(成田市道)を、成田市は2010年6月に暴力的に封鎖・廃止し、その土地を格安で成田空港会社(NAA)に売り飛ばす暴挙に及んだ。その違法性を徹底的に追及するのがこの裁判だ。
昨年2月に証人として出廷した元成田市土木部長・中村壽孝は、廃道を決定し実行した経緯、根拠、手続き、責任の所在などについて問われ、「わからない」「記憶にない」を繰り返すというデタラメな対応に終始した。結局明らかになったことは、土木部は何ら積極的に関与せず、団結街道の廃道は「上」からの政治判断で行われたということだ。
市の最高責任者である小泉一成市長、片山敏宏・元成田市副市長の証人尋問は必須不可欠だ。だが、たび重なる弁護団の小泉市長の証人調べの要求に対し、裁判長は言を左右にし結論を出さず、代わりに被告・市に催促して元成田市土木部道路管理課主任・松本光平を証人として呼んでごまかそうとしている。しかし、中村よりも下の役職だった松本が、本件道路の廃止に主体的に関与する余地はないので尋問は無意味だ。廃道の決定は結局、廃道の要件を定めた道路法10条を一切無視して、成田空港の第3誘導路建設の都合に合わせた政治案件として、小泉市長の「ツルの一声」で決められたのだ。
今回の法廷でも弁護団は、小泉市長の証人尋問が必須不可欠であることを論述し採用を求めたが、内野裁判長はかたくなに応じず、傍聴席から投げつけられる「小泉を呼べ!」との怒声にも苦虫をかみつぶしたような顔で沈黙するのみ。
結局審理として実質的進展がないまま、次回期日を2月7日として閉廷した。
破産した中村証言から2年近く。小泉市長の「政治判断」で廃道が決定されたことが明らかになれば当然にも違法・無効となる。NAA・市と結託する裁判所を許さず闘おう。