北総の空の下で 台風15号被害 農村の底力見すえ

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週刊『三里塚』02頁(1026号02面06)(2019/10/28)


北総の空の下で
 台風15号被害
 農村の底力見すえ


 台風15号が千葉県を席巻してから一カ月、爪あとを残しながらも日常が戻りました。現地に駆けつけてくれた方、心配して連絡をくれた方、物資やカンパを寄せてくれた方、皆さんに感謝です。
 9月15日の同盟一斉行動は停電でビラを発行できず、台風被害の実情を共有しようと、日ごろお付き合いのある方を中心に回りました。私が実感したのは田舎暮らしの底力、とりわけお母さんたちのたくましさです。水を節約する知恵や、自前の米と野菜とガスで食べるに困らないことなど、話は尽きません。人と人のネットワークも健在で、頼りにならない行政を尻目に、水や物のやり取りが行なわれていました。
 10月5日、新潟大学助教・伊藤亮司さんの講演を聴きました。安倍農政の一見かっこいいスローガンの内実をグラフや事例で解明しました。伊藤先生は農村の底力を見すえて、農業と地方切り捨て政策の中にこそ反転攻勢の芽があると言います。新潟の米農家の反乱は国政選挙で自明となりました。新潟が特別なのではなく新潟から始まったのです。
 9月29日の群馬集会も、台風被害から見る安倍農政批判をメインに、市東孝雄さんの闘いと切り結んで進められました。市東さんの小規模有機農業は、食糧を必要な人のために作る確かさと誇りが原動力です。安倍農政に逆行しますが、最新の世界の流れです。だからこそ災害時に手を差し延べてくれる仲間や野菜会員がいます。
北里一枝
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