団結街道

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週刊『三里塚』02頁(1017号01面05)(2019/06/10)


団結街道


 星野文昭さんが急逝した。断腸の想いだ▼徳島刑務所による医療放棄で大きくなったがん細胞は星野さんの体重を10㌔も奪った。生命に関わる健康状態であることを百も承知で四国更生保護委員会は仮釈放の不許可を決定。その報を聞いた星野さんは、「自分は逆境に強いから、こういうことがあるとかえって元気になるよ」と微笑んだ▼東日本成人矯正医療センターへの移管後、必死に体力の回復につとめ大手術を決断。一旦は成功したかに思われたが、急きょ危篤状態に▼お連れ合いの暁子さんはこの時初めて文昭さんの手を握った。星野さんは信じられないほどの強さでぎゅっと握り返した。何とか持ち直してほしい。誰もがそう願っていた矢先の5月30日午後9時44分。ついに帰らぬ人となった▼「やれたことはもっとあったはずだ」自責の念が湧き上がってくる。いや、確かにやれることは全力を尽くしてやってきたはずだ。だが、力不足だった。国家権力によって虐殺された事実を見すえ、その屈辱を雪(そそ)ぎ、のりこえる決意を新たにしたい▼星野さんは、ヒロシマの写真に衝撃を受け、すべての人が人らしく生きられる社会を目指し、あらゆる不正義を許さず、沖縄・三里塚を闘った。「無実の政治犯」として、類例のない超長期獄中闘争を闘い最期まで階級と共に生きた真のリーダーだった。そのウソのない人生を全うされた生き方を私たちが引き継ぐ番だ。
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