4者協議会 A滑走路運用延長を決定 午前0時まで住民に騒音強制

週刊『三里塚』02頁(1009号01面02)(2019/02/11)


4者協議会
 A滑走路運用延長を決定
 午前0時まで住民に騒音強制

(写真 運用延長合意を報じる2月5日付千葉日報)

 2月4日、芝山町役場で開かれた4者協議会(国、県、NAA、空港周辺9市町)は今年冬ダイヤ(10月27日開始)から成田空港のA滑走路の運用時間を1時間延長することを発表した。
 運用時間の延長は1978年の成田開港以来初。同時に、午後10時台の便数制限も撤廃されるため、午後10時以降の発着回数は現在の3倍に増加し、航空機騒音は午前0時まで続くのだ。断じて許すことはできない。
 そもそも今回の時間延長の前倒しに関して地元住民の声をNAA、国は一切聞いていない。4者協議会は非公表で、住民にはいつどこで開かれるのかも知らさない。密室の中で、国とNAAの一方的説明がなされ、議員と首長が「苦渋の判断」などと言って住民の頭越しに受け入れる。こんなものは「合意」でも何でもない。
 空港機能強化の口実である2020年東京五輪には同年夏ダイヤからで十分に間に合うはずなのに、なぜ前倒ししたのか。国内における空港間競争が大きな理由だ。羽田空港は20年夏ダイヤから国際線発着枠が年3・8万回増える予定で、没落の危機に恐怖するNAAの巻き返しに他ならない。さらに「ニーズがあるのは格安航空会社(LCC)と貨物機」と夏目誠NAA社長が認めるように企業からの要請なのだ。
 「環境(騒音)対策と地域振興にいっそう協力する」とNAAはうそぶくが、昨年10月から受け付けを開始した寝室を二重窓にする内窓設置申請は1月に入っても約10%の90軒。住民はNAAの「騒音対策」を怒りをもって見限っている。
 今回の延長は騒音下住民だけでなく、深夜労働を鉄道、バスなどの公共交通機関、空港管制や税関、入管、検疫所などの国の機関、空港会社・航空会社で働く労働者に強制する労働条件破壊である。睡眠不足は健康を奪い、大事故を招くことになる。健康で安全安心に働ける職場を作る闘いと、住民の生活環境を守る闘いは一つの問題だ。
 「闘いなくして安全なし」を掲げる動労千葉と「農地死守」を貫く反対対同盟農民の労農連帯を軸に、今こそ地域住民、空港関連労働者、周辺住民の怒りを束ね、北総反乱を巻き起こそう!
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