北総の空の下で 市東さん激怒 「生き方変わらず」
週刊『三里塚』02頁(1008号02面05)(2019/01/28)
北総の空の下で
市東さん激怒
「生き方変わらず」
昨年末の請求異議裁判判決から早1カ月、あの日、反動判決に騒然となる法廷で、私は宇宙人と対峙しているような感覚に捕らわれました。高瀬裁判長は人間の形をしているけれど、私たちの言葉が何一つ通じない……。
反対同盟は、直ちに控訴して弾劾集会を開き、当日夜から抜き打ちに備える現地座りこみ体制がスタートしました。一方弁護団は、控訴審が始まるまでの空白期間の強制執行停止を約束させるために奔走、翌日暫定的執行停止を認めさせて一たん日常に戻りました。
判決後、200人の大傍聴団を奮い立たせたのは「どんな判決が出ようと私の生き方は変らない。農地を守り抜く」と宣言した市東孝雄さんの揺るぎなさです。
ここにこそ空港会社の最大の誤算がありました。連中は、土地収用法が失効してから帰農した市東さんを「裁判」という脅しでつぶせると思ったに違いないのです。だから農民同士で畑の一部を交換していた現状も確かめずに、「不法耕作地を明け渡せ」という裁判を起こしました。新聞も「不法耕作の男性」と報道、市東さんは激怒します。あげくつじつま合わせのための境界確認地図に父・東市さんの署名を偽造――。何でもありの空港会社とそれを追認する裁判所をこのままのさばらせてなるものか!
最高裁判決後の裁判という未知の領域での控訴審は、一回一回が決戦です。安倍政権との激突必至な19年、三里塚から安倍打倒の火の手を!
北里一枝