「強制執行反対」要望書集め12・13提出行動へ 12・20請求異議裁判勝利判決を
「強制執行反対」要望書集め12・13提出行動へ
12・20請求異議裁判勝利判決を
11・19耕作権裁判
墨塗り文書開示せよ
「農地死守」の決意で地裁包囲
11月19日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で耕作権裁判が開かれた。開廷に先立ち、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援の労働者・農民・学生・市民110人は千葉市内デモ・地裁包囲闘争を闘った。反対同盟は、全国から寄せられた1千通を超える要望書を地裁民事第5部に提出し、12月13日、再び要望書提出行動を行うと発表した。請求異議裁判の12・20判決まで残り1カ月。あらゆる職場・キャンパス・街頭で要望書を集め、12・20勝利判決をもぎ取ろう!
午前9時、千葉市中央公園で太郎良陽一決戦本部長の司会で決起集会が開かれた。最初に東峰の萩原富夫さんが反対同盟の決意を表した。「全国から寄せられた〝市東さんに対する農地強奪執行を許さない〟という要望書1千通を千葉地裁に提出する。1971年大木よねさんへの強制代執行と同じ暴挙を市東さんにもやろうというのか。絶対に許さない! 労働者のみなさん、反対同盟とともに闘おう」
動労千葉の田中康宏委員長が発言に立った。「安倍政権はクーデターのように改憲を押し通そうとしている。それに対する渦巻く怒りを、三里塚を先頭としたわれわれが結集する時だ。不屈の三里塚を守り、新自由主義で破壊された労働運動を取り戻していこう」
さらに関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会の連帯発言を受けて、意気高くシュプレヒコールを上げ、千葉地裁へ向けたデモに出発した。地裁正面には多くの職員が張り出し、いつにない警備態勢が敷かれ、緊張感が漂う。
1千通を提出
デモを貫徹した参加者は旗・のぼり・横断幕を掲げて地裁を包囲して並び、シュプレヒコールをたたきつけた。続いて反対同盟が、「耕す者に権利あり」の横断幕を正門前に広げ、手には計1026通の要望書の合冊を携えて並んだ。参加者の熱い拍手に送られて、要望書の提出へと庁舎内へ向かい、4階の民事第5部書記官室で職員に受け取らせた。
10時30分開廷。直ちに反対同盟顧問弁護団は、異様なまでの警備態勢に対し猛然と抗議した。三里塚裁判に限って、職員を大量に動員して周囲を威圧し、さらに公安警察を公然と一室に待機させて入庁者全員を監視している。傍聴者を威迫するに等しいこのような状況で、どうして公正な裁判を期待できるのか!
内田裁判長は、抗議の迫力に押されて「ご意見が出されたことを所長に伝える」と約束した。
耕作権裁判は、市東さんが耕す南台農地の一部についてNAA(成田空港会社)が「不法耕作をしている」として市東さんに明け渡しを求めている裁判で、すでに12年も続いている。祖父の代から受け継いだ土地を100年耕してきた市東さんを「不法耕作者」呼ばわりとは、居直り強盗の論理だ! だが裁判の中で明らかになってきたのは、NAAによる証拠偽造などの違法の数々であり、卑劣な文書隠しの姿勢だった。
この日までにNAAは、裁判所から任意開示を勧告されていた証拠「乙84〜86」の墨塗り部分について、ごく一部を開示したものの、「今後の土地の取得に関する地権者との交渉に影響を及ぼす」との理由をたてに大半の開示を拒否した。30年も前の用地買収交渉関連文書が、「今後に影響を及ぼす」などあり得ない。NAAの文書隠匿(いんとく)をもうこれ以上許さない。
また弁護団は、天神峰農地の旧地主の岩澤和行と空港公団(現NAA)との間で交わされた「覚書」を提出させることを求めて、新たな文書提出命令申し立てを行い、さらに主張・立証のプランを提出した。
次回期日を来年2月18日と確認して閉廷した。
1カ月決戦を
近くの会場で報告集会が開かれた。最初に市東さんがあいさつに立ち、「12月20日の判決に向け、勝ち抜くという気持ちで闘っていく」と鮮明な決意を表した。
葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団全員が発言し、NAAが隠し持つ一切の記録文書を出させるまで粘り強く闘うことを約束した。
沖縄・辺野古新基地建設工事に対し抗議船の船長として闘っている横山知枝さんが、現地報告と連帯のあいさつを行った。
最後に萩原さんが、「市東さんが天神峰で農業を続けていくという意思は変わりない。12月13日に要望書提出を行う。この1カ月、裁判所を追いつめる闘いに全力で立とう」と訴え、この日の闘いを締めくくった。