団結街道
週刊『三里塚』02頁(1001号01面05)(2018/10/08)
団結街道
AI(人工知能)をめぐる3度目のブームが続く▼「AIが仕事を奪う」などとAI技術や知識を独占する専門家が人々の不安をあおるものが多いが、他方で、「計算機なんかに人間は負けない(部分がある)」と、これまた専門家が人々に安心を供給するものもある▼『AIvs 教科書が読めない子どもたち』の著者、新井紀子氏は、もうひとひねり加える。4000年以上の数学の歴史で発見された「論理、確率、統計」の3つの言葉しか使えず、基本的に四則演算でしか動かないAIには文章の意味も「喜怒哀楽」も分からないとしながらも、「子どもたちの多くは読解力のテストでAIに負けている」と再び不安をあおる▼こうした本を読むといつも思うが、本質はやはり資本主義社会における階級対立にこそある。AIと人間の対立ではなく、技術や知識を独占する資本家階級とそこからはじかれた労働者階級の対立こそが問題だ。AI(技術)をネタに階級対立が隠され、あいまいにさせられているのだ▼将棋や囲碁の名人に勝ったのはAIではなくプログラムを組んだ人間だ。AIが仕事を奪うのではなく、AI技術を駆使する資本家が労働者を競争に駆り立てるのだ▼われわれ労働者階級は「技術革新」に恐怖するのではなく、「論理、情熱、信頼」(アリストテレス)の3つの言葉を駆使して国際的な団結を組織し、資本家階級を打ち倒そう。