ピンスポット 航空機整備記録を改ざん 「多く飛ばすため」 利潤獲得優先し安全破壊
週刊『三里塚』02頁(0997号01面05)(2018/08/13)
ピンスポット
航空機整備記録を改ざん
「多く飛ばすため」
利潤獲得優先し安全破壊
日本郵船傘下の「日本貨物航空」(NCA)が、航空機の整備記録を改ざんしていた(写真)。昨年1月と今年3月の貨物機2機の大規模損傷を国に報告せず、補給した潤滑油の量を実際より少なく記録するなどデータ改ざんを複数行っていた。
国交省は、安全管理が極めてずさんだと判断し航空法に基づき20日に事業改善命令を出す方針を決め、「連続式耐空証明」を取り消した。航空事業者への取り消しは初めてである。同社は貨物機11機を運航。毎年行われる安全性検査を免除されてきたが、取り消しにより、今後は毎年受検しなければならない。
NCAは、規制緩和で作られた貨物航空会社だ。保有機体を最大限運用し、利潤獲得を優先。そのためには保安部門を合理化し、偽造すら常態化する。同社は「(改ざんしなければ)点検や整備がさらに必要になるケースがあるため、書き換えた。機体をより多く飛ばすためだった」と説明した。整備の省略と文書改ざんは会社の指示によるものなのだ。
これが規制緩和、安全より金儲けの腐りきった新自由主義の姿だ。労働者の団結した力で安全を強制する他ない。