新やぐら裁判 底地買収は無効だ NAA居直り文書を追及

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週刊『三里塚』02頁(0996号02面03)(2018/07/23)


新やぐら裁判
 底地買収は無効だ
 NAA居直り文書を追及

(写真 内田博久裁判長)


 7月9日、新やぐら裁判が千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で開かれた。
 この裁判は、市東さんの天神峰農地に建つやぐら・看板などの4つの物件について、成田空港会社(NAA)が反対同盟に対し「収去と土地の明け渡し」を求めて提訴したものだ。
 弁護団は前回、NAAによる市東家の小作地の底地買収について、①転用目的と言いつつ具体的事業計画がなかった、②小作人の同意がない地主からの底地買収だった、③空港公団(NAAの前身)は都内に住所を置く不在地主だった----と農地法違反の罪状を列挙し、「買収は無効」として求釈明を突きつけた。
 これに対しNAAは、5月末に書面を提出。「農地売却が明らかになると地主・岩澤が反対派からの攻撃を受ける恐れがあるから隠していた」と言い捨て、あとは一切認否しないという居直り文書だ。
 農地法では、農業委員会が「不在地主」の違法を認めたら、「国が強制的にその土地を買収し現耕作者に最優先で売り渡すこと」と規定されている。この指摘に対しNAAの居直り文書は、「本件では国が買収した事実はない」と、実にふざけた一言で済ませている。「安倍内閣の国会答弁で有名な〈ご飯論法〉※と同等のごまかしだ!」と弁護団は弾劾した。(※「朝ごはん食べたか」と聞かれて「ご飯は食べてない(パンは食べたが)」のようにはぐらかすインチキ弁論術)
 弁護団は居直り文書を徹底弾劾し、「事実について逐一すべて認否せよ」とNAAに強く迫った。
 またNAAは、土地取得にあたって地主・岩澤と交わした「覚書」を今回明らかにした。それには、「市東の支払う土地の賃借料については、移転登記完了までは岩澤の所得、それ以後は公団の所得」と、恥知らずな取り決めが堂々と書かれている。しかも部分的に墨塗りがされており、弁護団は全面開示を強く要求した。
 さらに弁護団は、看板収去の要求は憲法で保障された表現の自由への侵害であることなどの主張を展開し、沈黙と居直りを決め込むNAA代理人弁護士たちを徹底的に追及した。
 次回期日は10月1日、次々回は11月26日と確認し、閉廷した。
 報告集会では太郎良陽一さんが、反対同盟主催の10・14全国総決起集会への結集を呼びかけた。

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