団結街道
週刊『三里塚』02頁(0996号01面04)(2018/07/23)
団結街道
ロシア革命100周年の昨年、ロシアではトロツキーがブームになっていた。国営放送にあたるチャンネル1が歴史ドラマ「トロツキー」を製作・放映し高視聴率を稼いだ。1話50分×全8話。国内の10の賞を受賞。製作者の一人は「トロツキーこそ10月革命のロックンロール・ヒーロー」と呼び、若者層の視聴者を意識したと語る▼ユーチューブのロシア・ドラマサイトで公式配信されており、ロシア語は分からないが辛抱強く全話400分視聴した。青年時代から17年革命、国外追放、メキシコでの暗殺まで生涯の要所をドラマチックに描いている。俳優たちの演技は重厚で、名優コンスタンチン・ハベンスキーが主人公を演じる。装甲列車が雪原を驀進するシーンは、「革命の進撃」を象徴する映像美だ▼個々のシーンでは虚実入り乱れ、過剰な演出も随所に見られ、社会主義への不信を募らせる描写も少なくない。歴史学者からの批判があり、トロツキスト団体が抗議したとも伝えられる。それでも、家族を殺されるなどの苦難を味わいながら、トロツキーは最期までスターリン主義と戦ったという事実は骨格として貫かれている▼ソ連時代は最大のタブーとされていたトロツキーが、プーチン政権のもとでドラマの主人公として復活した。これが「大河ドラマ」並みのノスタルジーで終わるかどうかは、われわれの国際連帯闘争の前進にもかかっている。