ピンスポット 小型機めぐる市場争奪戦 2強の寡占が進む
週刊『三里塚』02頁(0996号01面03)(2018/07/23)
ピンスポット
小型機めぐる市場争奪戦
2強の寡占が進む
つぶし合いの歴史さらに
世界の航空機産業の2強である米ボーイングと欧州エアバス2社による小型機市場への参入が続いている。
7月5日、米ボーイングは、ブラジルのエンブラエルの小型旅客機部門を買収することを発表した。欧州エアバスが1日、カナダのボンバルディアの小型機事業を傘下に収めたことへの対抗だ。
これまで航空機製造は、ボーイングとエアバスが100席超、エンブラエルとボンバルディアがRJ(リージョナルジェット)機というすみ分けがあったが、小型機市場も、2強が独占することになった。
航空機産業はつぶし合いの歴史だった。アメリカ国内ではボーイング、ダグラス、グラマン、ロッキードが競い合い、民間部門で残ったのはボーイングだけ。他方、欧州ではアメリカに対抗してエアバスを設立し、アジアとりわけ中東での市場を奪った。
現在大型機は新規開発の見通しはなく改良型の売り込みだけ。新規需要予測の3分の1は、RJの改良機だ。
ここへの参入を目指す三菱航空機の国産旅客機「MRJ」は予定納期を7年過ぎ、18年3月末の債務超過額は1100億円(写真)。破産は必至だ。