9・3耕作権裁判-9・27請求異議裁判へ 市東さんの命の農地奪うな

週刊『三里塚』02頁(0996号01面01)(2018/07/23)


9・3耕作権裁判-9・27請求異議裁判へ
 市東さんの命の農地奪うな

天神峰樫の木まつり盛大に
 「来年も必ずここで開催を」

(写真 樫の木まつりに先立ち、市東さんの南台の畑からデモ【7月8日】)

(写真 抽選での景品交換に笑顔咲く)

(写真 農地死守の決意を固めガンバロー)

 西日本豪雨災害は安倍による地方切り捨て・大軍拡がまねいた国家犯罪に他ならない。自治体職員や公共交通機関、安全対策を切り捨て、カジノを推進、水道の民営化......。オウム7人の大量処刑の前日の酒盛りにうつつをぬかし、労働者の生存条件を奪って改憲・戦争へと突き進む安倍政権を今こそ打倒しよう! 7月8日、三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけで天神峰・樫の木まつりが開催され170人が結集した。請求異議裁判は7月結審策動を粉砕し、現地攻防と一体で力強く前進している。9・3耕作権裁判―9・27請求異議裁判最終弁論に攻め上ろう!
 午後0時30分、灼熱の太陽が照りつける中、成田市天神峰字南台の「南台農地」に全国の労農学、産直野菜消費者、近隣住民などが集合。目の前のB滑走路にはひんぱんにジェット機が飛来し、への字に曲がった誘導路をジェット機が走行している。最初に伊藤信晴さんが、市東さんの農地をめぐる裁判について説明し、まさにこの場所がNAA(成田空港会社)による明け渡し要求の対象地であることを強調した。
 続いて支援連が発言し、全学連三里塚現地行動隊は「この農地を体を張って絶対に守りぬく」と強い決意を表した。
 太郎良陽一さんのリードでシュプレヒコールを上げ、反対同盟を先頭にデモに出発。大量動員された機動隊と私服刑事による規制をはねのけ、色とりどりの旗・のぼりを高く掲げ、力強く行進した。宣伝カーからは婦人行動隊・宮本麻子さんが、空港機能強化策を粉砕し農地を守る反対同盟のアピールを大音量で響かせた。

機能強化粉砕を

 到着地点は、市東さん宅向かいの天神峰農地。「第3滑走路粉砕!/強制収用実力阻止」の看板が道に面して立つ。この畑も強制執行の対象地であり、今日のまつりの会場はその一角だ。年輪を重ねた大きな樫の木がそびえたち、そのもとに離れ(決戦本部)、作業場、農機具置き場、ビニールハウスなどが存在する。すでに午前中から、同盟・支援総出で会場作りがされていた。
 司会の宮本さんがまつりの開始を宣言し、最初に主催者あいさつとして東峰の萩原富夫さんがマイクを握った。6・28請求異議裁判で自ら証言に立ち、NAAによる天神峰・東峰への破壊攻撃を暴露したことを報告した。今進められようとする機能強化策(騒音地獄と第3滑走路建設)を怒りを込めて弾劾し、結審攻撃との闘いがいよいよ切迫する7・17請求異議裁判への結集を訴えた。最後に「今日一日を楽しもう」と呼びかけて乾杯の音頭をとった。
 参加者は汗をぬぐいながら、ビール、お茶、かき氷、すいかなどでのどを潤し、肉じゃが、おにぎり、サラダ、漬物などのご馳走を味わった。

労農連帯掲げて

 連帯のあいさつの最初に動労千葉の田中康宏委員長が立った。「市東さんの農地を秘密裏に空港公団が旧地主から買収したのが1988年。国鉄分割・民営化攻撃と軌を一にしてかけられた攻撃だ」と確認した。そして「労農連帯の旗をさらに高く掲げて闘う。絶対に来年もここで樫の木まつりを開こう!」と呼びかけ、大きな拍手を浴びた。
 関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会に続き、全国農民会議の小川浩共同代表が発言した。安倍農政が進める農家つぶし、企業の農業への進出を批判し、農民と労働者が手を携えて安倍政権打倒へ立つことを訴えた。
 全学連の斎藤郁真委員長は、成田空港の軍事空港としての本質を強調し、改憲と一体の攻撃としてこれを粉砕する決意を述べた。さらに闘う東大生が、「空港絶対反対」への共感と決意を述べた。
 全日建運輸連帯労組・関西地区生コン支部の西山直洋さんは、組合にかけられた不当弾圧を断罪し、三里塚連帯の意気込みを表した。
 後半の司会を婦人行動隊・木内敦子さんに代わり、婦人民主クラブ全国協議会、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議、全国水平同盟杉並支部、動労水戸の木村郁夫書記長(市東さんの農地を守る会・茨城)、市東さんの農地を守る会・福島などが連帯発言を行った。
 間には趙博さんのミニライブが会場をさらに熱くし、終盤には野菜やはちまき・バッジ・Tシャツなどの景品抽選も場を盛り上げた。
 市東さんが締めくくりのあいさつに立った。「私たち反対同盟はうそをつかず、正義を貫いて闘ってきました。来年は今日の倍の規模でまつりを開きたい。その力で最高裁判決もひっくり返せる。共に闘ってください!」と訴え、参加者の心を一つにした。
 決戦本部長として太郎良さんが感慨を込めて、「みんなでスクラムを組んでこの場所を絶対に守ろう」と訴え、10月14日に三里塚全国集会を開催することを明らかにした。
 「誇り高き農地死守」と反対同盟の歌を全員で熱唱し、最後に伊藤さんの音頭で団結ガンバローを三唱して、締めくくった。

------------------------------------------------------------

樫の木まつりでの発言から

ウソをつかず正義を貫いて
 敷地内 天神峰 市東孝雄さん

 自分たちの正義性を問う請求異議裁判。これだけは絶対に譲るわけにはいきません。
 私たち反対同盟は絶対ウソをつかないし、正義を貫くということで闘ってきました。裁判だけでなく、これからの闘いをより深いものにできればと思います。
 来年はこれの倍くらいの規模で開催しましょう。そうすれば最高裁の判決もひっくり返せるんだという闘いをしていきたい。今日は天候にもめぐまれ、本当にいい日でした。大変な中、駆けつけていただきありがとうございました。私もがんばります。共に闘いましょう。

農民の団結で安倍政権倒す
 全国農民会議共同代表 小川浩さん

 耕作面積の73%の農地を強制的に奪われるということは、農民として市東さんの生きることそのものを抹殺する攻撃だ。安倍政権の改憲・戦争攻撃そのものだ。
 農業の後継ぎがいないなら、それをつくるのが政治だ。しかし、農業をやりたい人の農地を取るのが今の安倍農政だ。
私たちは萩原進さんと共に農民会議を立ち上げた。三里塚闘争も含めた農民の闘いを労働者と共に進め、今の安倍政権を打倒していくような団結を何としてもつくり出していきたい。その最前線の闘いとして市東さんの農地を守る闘いがある。

国鉄と三里塚は一つの闘い
 動労千葉委員長 田中康宏さん

 市東さんの農地が勝手に売り渡されたのが88年。国鉄分割・民営化攻撃と軌を一にしており、1047名解雇撤回闘争と市東さんの農地を守り抜く30年間にわたる闘いは、完全に二つにして一つ、同時進行する闘いだった。
 そして今、三里塚闘争が50年間のすべてをかけた決戦に入っているときに、国鉄闘争も分割・民営化以来の大決戦に入っている。
 労働組合として労農連帯の旗を今こそもっともっと高く掲げて闘いぬく。来年も絶対にここで樫の木まつりを開きましょう。

軍事空港建設絶対許さない
 全学連委員長 斎藤郁真さん

 樫の木まつりという場が今ここにあるということに私たちの力が発揮されている。
 市東さんへの農地強奪攻撃は第3滑走路建設に向けた住民への見せしめだ。絶対に許せない。
 トランプ政権のもとで貿易戦争が激化し世界戦争の危機がある中で、安倍政権は本格的な軍民共用の軍事空港として、成田空港を拡大しようとしている。改憲とセットになった攻撃だ。
 全学連は必ず大学から学生運動を爆発させて、三里塚闘争に大合流する。

------------------------------------------------------------
三里塚闘争裁判日程
◎第3誘導路裁判、千葉地裁
 8月3日(金) 午前10時30分開廷
◎耕作権裁判・千葉市内デモ
 9月3日(月)
 午前9時 葭川(よしかわ)公園集合
 10時30分開廷 千葉地裁

このエントリーをはてなブックマークに追加