実力闘争の思想を甦らせよう 斎藤郁真全学連委員長に聞く 農地死守、改憲阻止の闘いの先頭で

週刊『三里塚』02頁(0995号02面01)(2018/07/09)


実力闘争の思想を甦らせよう
 斎藤郁真全学連委員長に聞く
 農地死守、改憲阻止の闘いの先頭で

(写真 斎藤郁真【さいとういくま】さん。全学連委員長。2007年法政大学法学部入学。)

(写真 千葉市中央公園で開かれた裁判前決起集会に参加)


 7・1国鉄闘争全国運動集会で、改憲・戦争阻止の最先頭で闘う決意を表明した斎藤郁真全学連委員長に、三里塚闘争への思いと市東さん農地決戦勝利に向けた意気込みをうかがった。

証言に感動して

 ----市東さん、萩原さん、二人の証言を聞いての感想を教えてください。
 農民が世代をこえて意志を継ぎ闘いの歴史をつなげてきたという階級闘争のドラマに感動しました。
 市東孝雄さんは、中学卒業後労働者になって天神峰を離れます。弟が農業を継ぐとなっていたけど、不慮の事故で亡くなってしまった。その後、戦争を経験して、国策による農地強奪を許せないと思った父親の思いを引き継いで戻り、農業をやっていることは本当にすごいことです。
 萩原富夫さんは最初は支援として三里塚闘争に触れ、縁があって婿として萩原家に入りました。やはり闘争を始めた第一世代ではないですが、萩原進さん(事務局次長)の遺志を継ぎ三里塚闘争をどう勝利させるかということを今真剣に考えて運動を続けています。
 戦後の闘いの歴史の中で引き継がれてきた農地を絶対に奪われるわけにはいかないと改めて思いました。
 ----全学連は三里塚闘争に連帯して何を学んできたのでしょうか。
 学生の側から三里塚闘争にどう連帯するのかは、論理で言えばいろいろあると思うのですが、闘う人間の魂が運動においてはとても大事だと思っています。星野文昭さんの闘いもそうですが、国家権力と一歩も引かずに闘う魂を全学連として引き継いでいかない限り、弾圧が激しくなると闘えません。他の勢力が衰退し、全学連だけが新自由主義大学と闘う学生運動ができている根拠が三里塚との連帯にあります。
 ----なぜ学生は人生をかけて農民と連帯してきたのでしょうか。
 三里塚が戦後日本の最も原則的な反戦の闘いをけん引してきた闘いの一つだからです。それが今、朝鮮半島での戦争をにらんだ安倍政権の改憲策動との攻防がギリギリと行われている中で、三里塚は市東さんの農地を守ることで成田の軍事使用を実際にせき止め、軍事空港は完成していません。
 粘り強く自分たちの原則を貫き、ときには実力闘争も辞さず闘ってきた人たちが結局一番勝利している。今こそもっと大規模にその闘魂を甦らせるべきだと思います。大学キャンパスにおいても、市民運動の世界においても実力闘争の思想を甦らせるための非常に大事な焦点に再び三里塚がなっています。

三里塚へ行こう

 ----改憲・戦争阻止に向けた全学連の課題とは何でしょう。
 今の学生の中には、戦後革命でかちとられた権利の一つであるストライキが違法だと思っている人もけっこういます。団結するとか闘うということがまったくキャンパスの中に存在しない中で、いかに改憲阻止を運動として大きく発展させるのかを考えたときに、「改憲阻止」の連呼だけではいかない状況の中にあるわけです。
 徹底的に現場の闘いによって情勢を切り開いて、意識的に政治決戦にちゃんと挑んでいくという両方をしっかりとやらないといけない。「国会に行こう」と訴えたときに、「全学連とならやりますよ」と言ってくれる学生を大学の中に大規模に生み出したい。
 ----三里塚をまだ訪れたことのない学生へのアピールをお願いします。
 何気なく成田空港を使っている人も多いと思いますが、ほんのちょっと意識して空港周囲の現地を訪れてみるとフェンスに囲まれた農地や神社がある。その中で、普通の農民たちが信念を貫いて闘っている様子を見てほしい。人間が一たび信念を貫けば、国策も止めることができる。空港はいまだに完成していない。「三里塚闘争のようになるな」と言って、スマートでかしこい運動をやろうと言った人たちの運動は、結局力を持つ運動にならなかった。階級闘争がある限り、信念や闘争原則は時代をこえ私たちに響くものが必ずあります。市東さんの農地を守る闘いは市東さんだけの闘いではありません。
 ぜひ一緒に三里塚に行きましょう。共に立ち上がり、改憲を阻止しましょう。

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