住民が怒りの追及 NAA 各地で環境説明会
週刊『三里塚』02頁(0994号02面02)(2018/06/25)
住民が怒りの追及
NAA 各地で環境説明会
成田空港機能強化のためのNAA環境影響評価準備書の説明会が、5月5日成田国際文化会館をはじめに6日横芝光町、13日山武市、19日茨城県稲敷市、26日芝山町で行われた。いずれの会場も騒音被害に対する住民の怒りの声が上げられた。そもそも環境アセスメントの説明会は、事業の遂行を前提にしたアリバイでしかない。「環境対策をやっている」「被害者の声を聴いている」と環境破壊・生活破壊に対する抗議を事前に予防するのが目的だ。
実際、アセス説明会はNAAが主催し、発言回数、発言時間が制限されている。「発言は司会者の指示に従え、そうでなければ退去」と強圧的だ。しかも質問は、アセス準備書の内容に関するものに限っており、「意見は所定様式の意見書を提出しろ」とあらかじめ住民の意見を封殺している。にもかかわらず、いずれの地区の説明会でも住民は騒音被害の拡大とNAAの一方的やり方に黙っていることができず、必死の訴えを行った。
26日の芝山町の説明会は、住民20人が参加。NAAの30分の説明ののち、質疑応答に入った。最初の質問者は、「NAAを信用できない。環境問題の説明会など、合意する前にすることだ。住民のことなど考えていない」と厳しく糾弾した。次の住民は、「新滑走路でどのくらい飛ぶのか」と質問。これに「17万回、2分30秒に一機」という答えに対して「それで生活できるのか」と問いただしたが、「質問だったら受けるが、意見は書面で」とはぐらかした。
芝山住民は、「出ていくしかない」「体感を越えた騒音」「航空機騒音は、なぜ許されるのか」と次々と追及。NAAは、「内窓設置など、谷間対策は法律以上に努力している」と居直る。また、恰好だけは平身低頭で、その場逃れの答弁を繰り返した。最後に、参加者たちは「アセスで反対したら止めるのか」「アセスそのものが間違っている」と怒りの声をたたきつけた。