明日も耕す 農業問題の今 農業体験を観光ツアーに 自民党が進める「農泊」

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週刊『三里塚』02頁(0990号02面05)(2018/04/23)


明日も耕す 農業問題の今
 農業体験を観光ツアーに
 自民党が進める「農泊」

(写真 農水省と北海道主催の農泊シンポの宣伝チラシ )

 都市居住者などが農業体験や農村交流をして休暇を過ごす「アグリツーリズム」や「グリーンツーリズム」を今は「農泊」(農村民泊)と呼んでいる。大分県宇佐市が「農泊」の先駆的な地域として有名だ。

農業は観光資源

 この「農泊」について、自民党は3月13日、訪日外国人らの「農泊」に取り組む地域を支援するとして、「ファームステイ(農泊)推進議員連盟(農泊議連)」を立ち上げた。発起人は林幹生幹事長代理を代表に、二階俊博幹事長や菅義偉官房長官らが名を連ねる。
 農泊をビジネスとして展開できるよう、地域のリーダーの育成や観光資源の発掘といった支援策を取りまとめ、2019年度予算などに反映させていく方針だという。
 林幹生はこの席で、「農泊の推進を、農山漁村の所得向上や地域の活性化につなげ、真の地方創生を実現していく」などと述べているが、要は地方が切り捨ての中で農業を観光資源にしようというものだ。
 なぜならこの大元になっているのが、第1次安倍内閣の2006年12月に成立し、2007年1月から施行された「観光立国推進基本法」だからだ。2016年、これにもとづいて外国人旅行客を2020年に2倍の4000万人、2030年には3倍の6000万人に増やす目標が提示された。また、直近では「農山漁村の体験型宿泊を全国500地域でビジネスとして展開する」ことがうたわれている。

地方破壊と一体

 安倍政権は成長戦略の柱として、訪日客増加による観光業の育成をめざし、住宅宿泊事業法(民泊新法)の6月施行など規制緩和を推し進めているが、まさにこれらと一体で、農業を金もうけの観光の対象にしようというのが「農泊」推進なのだ。
 一方でTPPや種子法廃止などの農業つぶしを進めながら、地方創生の名の下で競争させ、地域破壊を進め、地域と農業を守ろうとする現場の取り組みを食い物にするものでしかない。

援農に行こう!

 こんな安倍政権の「農泊」と対極にあるのが「援農」だと思う。本紙「大地の響き」の投稿を読むと、三里塚の大地で「援農」をして、命育む農作業に携わった新鮮な感動がいつも伝わってくる。
 農地強奪攻撃との闘いを支え、農地死守の闘いの原点である土にふれながら交流する「援農」こそ、学生や青年労働者に体験してほしい。100年耕し続けた農地に触れよう。青年よ、三里塚に来たれ!
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