新入生のみなさんへ 全学連行動隊のアピール 君は三里塚を知っているか 〝農地死守〟不屈の50年 戦争・改憲阻む砦がここにある

週刊『三里塚』02頁(0990号01面01)(2018/04/23)


新入生のみなさんへ
 全学連行動隊のアピール
 君は三里塚を知っているか
 〝農地死守〟不屈の50年
 戦争・改憲阻む砦がここにある

(写真 「天神峰・樫の木まつり」のデモ出発地点である南台の畑に結集した全国の仲間たち【17年7月】)

(写真 第一次強制代執行阻止闘争で婦人行動隊を先頭に座り込む反対同盟農民【71年3月 芝山町辺田】)

(写真 労農連帯を掲げて走る動労千葉のスローガン列車)

(写真 学生を先頭に北総台地に集まった万余の群衆。取材記者までが機動隊に向かって投石した【71年】)

(写真 農民放送塔は倒される直前まで、農民殺しに奔走する政府公団を激しく弾劾し続けた【71年2月】)


 全国のみなさん、三里塚を訪れてください。大地を踏みしめ、国家権力の暴力と闘う農民と交流すれば、労働者・農民・学生の持つ力に確信を持つことができます。この道を進めば必ず勝利できる、そんな闘いが三里塚にはあります。(今号は新入生に向けた特別号です)

 新入生のみなさん、三里塚闘争をご存じでしょうか。
 三里塚闘争は、国策である成田空港建設による農地取り上げと闘う、現在も続く闘いです。「まだ空港に反対し続けているの?」と考える人も多いと思います。
 誘導路を「へ」の字に曲げている家や畑を見てください(左上の地図)。52年かけても国や空港会社(NAA)の金や暴力では奪うことができなかった畑です。農民が闘い続ける限り奪うことのできない畑や神社、開拓組合道路が空港「敷地内」にあります。
 三里塚芝山連合空港反対同盟を中心に数万数十万という労働者、農民、学生が実力闘争で国策を阻んできた「闘いの砦」が三里塚なのです。 

いのち守る闘い実力闘争を貫き

 なぜ多くの人々が三里塚闘争に決起してきたのでしょうか。それは「カネと暴力」の国家を相手に農地を守り、勝利できることを証明してきた闘いだからです。反対同盟の闘いの原則とは、「一切の話し合い拒否・空港絶対反対」「農地死守・実力闘争」です。買収や暴力による切り崩しや懐柔に屈せずに農地を守ること、そのためには国家の暴力に対して体を張って抵抗すること、この非妥協の闘いで空港の完成を阻んできました。
 現在、沖縄の米軍基地や福島をはじめとした原発、築地市場の移転問題など「国策」の名の下に、人々のいのち、生活が奪われています。これに反撃するためにどんな闘いが必要なのかの答えが三里塚闘争にあります。

三里塚に勝って戦争を止めよう

 同時にこの闘いは、改憲・戦争を止める闘いです。成田空港の建設計画は、ベトナム戦争が激化し、米軍のチャーター機で羽田空港が手狭になる中で、66年に突如閣議決定されました。成田空港は、最初から戦争のための出撃拠点として位置づけられてきたのです。
 これに対して、戦争に反対し70年安保・沖縄闘争を闘う労働者・学生が反対同盟農民の闘いに合流し、戦後最大の「反戦の砦」=三里塚闘争がつくりだされてきました。
 現在、民間空港では二つしかない4千㍍滑走路を持つ成田空港は、朝鮮有事の際には米軍の兵站(へいたん)基地として位置づけられ、自衛隊の海外派兵にも使用されています。日米安保--安倍の改憲・戦争政策を具体的に推し進める重要な拠点が成田です。日米両政府は現在、朝鮮半島での核戦争も辞さないと戦争準備を進めています。軍事空港反対で闘い続ける三里塚闘争の意義はますます大きくなっています。

歴史を作る道標労農連帯の威力

 さらに三里塚闘争は新たな社会をつくるひな形となる闘いです。JRの労働組合である国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)をはじめとする労働者と反対同盟農民との労農連帯は、人間が人間らしく生きられる社会を作る現実性を示しています。反対同盟の故北原鉱治事務局長は、「ものを作り運ぶ労働者と命の糧を生産する農民がいれば、社会は立派に成り立つ。既成の政治や権力などいらない」と語りました。「労働者は鉄路を武器に、農民は農地を武器に」、社会の生産を担う労働者と農民が一緒に実力闘争に立ち上がることが、「国策」・戦争を止め社会を変える力です。
 この労農連帯が決定的に深まったのが動労千葉の「ジェット燃料貨車輸送阻止闘争」です。77年、成田空港へのジェット燃料を運ぶパイプライン建設が沿線住民の反対で大幅に遅れる中、政府はジェット燃料を貨車で鉄道輸送する計画を発表しました。この貨車の機関士を担わされる動労千葉は、①三里塚空港反対・労農連帯、②「危険なものは運ばない」運転保安の確立、③労働強化は許さない、合理化反対、④組織破壊を許さない、という4つの視点を確立し、77年12月から3月の「100日間闘争」に決起。解雇者を出しながらも順法闘争やストライキで電車を止め、ジェット燃料の輸送を阻止しました。
 かつて歴史家の羽仁五郎は「パリコミューン(歴史上はじめて労働者が政治権力を握った)はわずか72日だったが、三里塚はもう13年、農民は闘いながら見事に生きぬいているではないか。いまや日本をよくすることができるのは三里塚や動労千葉の闘争だけだ」と評しました。反対同盟の50年、動労千葉の30年の不屈の闘いは、歴史をつくる道標(しるべ)となっています。
 今日、韓国・全国民主労働組合総連盟(民主労総)や独・GDL(ドイツ機関士労働組合)など、世界の仲間が三里塚現地を訪れ、ねばり強い不屈の闘いや労農連帯の決定的意義を学び、受け継いで闘っています。民主労総の仲間は06年から毎年三里塚現地を訪問し、反対同盟と動労千葉の闘いを学び、「社会的ゼネスト」(労働者だけでなく農民や学生、商店主が仕事を放棄し、大学や商店を止めて立ち上がる闘い)を実現する中で、パククネ政権を打ち倒しました。

決戦の三里塚へ強制執行阻止を

 三里塚闘争は現在、市東孝雄さんの農地取り上げという71年強制代執行以来の農地強奪攻撃との決戦に突入しています。一昨年の最高裁による市東さんの農地の明け渡し決定を受け、反対同盟は決戦本部を立ち上げ、現地結集を呼びかけるなど、強制執行実力阻止の闘いを開始しています。
 同時に、成田空港における空港機能強化策(①第3滑走路建設、②B滑走路の1千㍍延伸、③朝5時〜夜12時半までの飛行時間の延長)と闘っています。1240戸もの住民追い出し、騒音地獄の拡大は地元住民の命と生活を踏みにじる攻撃です。白紙撤回に向け、北総地域一帯を巻き込む新たな空港反対運動に学生の力が求められています。現地で共に闘いましょう。

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三里塚現地にふれよう

☆援農に駆けつけよう
☆現地企画に参加しよう
☆7・8樫の木まつりへ
☆三里塚裁判を傍聴しよう

(写真 天神峰の樫の木前で団結ガンバロー【17年7月】)

 援農(農作業の手伝い)を常時募集しています。農家と共に汗を流し、土に触れ、闘いの砦を実際に目で見ることが、三里塚闘争の勝利を実感する最短の道です。
【連絡先】全日本学生自治会総連合(斎藤郁真委員長)
電話 03ー3651―4861 
メール  mail_cn001@zengakuren.jp
ホームページ  http://www.zengakuren.jp/
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