団結街道
週刊『三里塚』02頁(0988号01面05)(2018/03/26)
団結街道
宇宙論の理論物理学者であるS・ホーキング博士が亡くなった。高校時代に英語の教科書で彼の伝記を読み「ユーモアあふれる面白い人だなあ」と感じた記憶が甦る▼大学生になった頃、観測技術の発達によって次々と新たな発見がなされる度に、今一番熱い学問は物理学だと羨望を抱いた▼ところで、今回見た記事の中で、宇宙の起源は138億年前とあり驚いた。137億年前ではなかったか。調べると、2013年3月21日に、欧州宇宙機構が宇宙マイクロ波背景放射(ビッグバンの残り火のようなもの)をより正確に観測し1億年延長して発表していた▼宇宙論の展開が面白いのは、一度は否定されたエーテルや宇宙定数が、ヒッグス粒子や暗黒エネルギーといった形で再び引っぱり出されたことだ。アインシュタインもびっくりの「らせん的回帰」▼かつて、理論に合致しない現実から「物理学の危機」を叫んだ「物理学的」観念論者たちがいた。レーニンは「理論は、客観的実在の模像、近似的な写し」であり「弁証法的唯物論は、人間の進歩しつつある科学による自然認識のこれらのすべての道標の、一時的・相対的、近似的な性格を主張するもの」と批判した▼人間の脳細胞もタンパク質、これこそ唯物論と言って人間の実践を物理法則と同じように扱うスターリン主義=日本共産党・不破哲三にレーニンやホーキング博士なら何と言うだろう。