北総の空の下で 全力で闘った17年 野菜への心配
週刊『三里塚』02頁(0982号02面06)(2018/01/01)
北総の空の下で
全力で闘った17年
野菜への心配
冬野菜の育ちが悪く気がもめる12月です。秋の長雨と日照不足がボディブローのようにじわじわ効いてきているようで、市販野菜も高値が続いています。
なかなか巻かず青々と葉を広げていた白菜は、何とか年末の正月セットに間に合いそうですが、ブロッコリーは、ピンポン玉大から育ってくれません。
とはいえ、里芋が豊作で、小ぶりながら旨味を凝縮した人参と共に、冬の人気野菜は健在です。青い部分も軟らかい東京晩成という細ネギと、ふっくら大振りで煮物に最適の三浦大根は、スーパーでは見かけなくなった産直ならではのお勧め野菜です。
思えば1年前、いかに市東さんの営農を守るのか、最高裁判決後の緊迫感の中で迎えた年末年始は、野菜に思いを巡らせる余裕がありませんでした。旗開きで決戦本部立ち上げを宣言、臨戦態勢に入ります。そして2月、農地の強制執行に異議を唱えて受理され、新しい裁判が始まるという思いがけない展開で現在に至ります。裁判は、先を急ぐ裁判長と切り結び、激しく闘われて、3月8日に第5回を迎えます。
さらに、周辺地域を広く巻き込んで、空港機能強化案と第3滑走路新設という新たな火種が、各地で火を噴き始めました。
「裁判と集会と行事が多すぎて仕事にならないよ」と、市東さんがぼやくほど忙しかった2017年。それでも全力でやりきって、野菜のことを一番に心配する日常を守りきりました。
北里一枝