団結街道裁判 住民生活侵害の空港 鎌倉教授がNAAを批判
団結街道裁判
住民生活侵害の空港
鎌倉教授がNAAを批判
12月12日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で団結街道裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民は、天神峰・市東孝雄さんの農地を守りぬく気概で臨んだ。
成田市は2010年6月、市東さんの自宅と畑を結ぶ「団結街道」を暴力的に封鎖・廃止し、その土地をNAAに格安で売り飛ばす暴挙に及んだ。廃道処分を取り消せ! 裁判は立証段階に入り、今回は埼玉大学名誉教授の鎌倉孝夫さん(経済学)が証言した。
弁護団の質問に答えて、鎌倉さんは成田空港への根底的な批判を次のように展開した。
成田空港は「増大する航空需要への対応」「激化する空港間競争に勝つ」を口実に、空港機能強化を進めようとしているが、実際はNAAと関連企業の私的な営利追求のためであり、公共的なものは何もない。
むしろ住民の生活を侵害し踏みにじるのが機能強化だ。騒音被害、落下物、そして市東さんから生活道路を奪い営農に打撃を与えているのは、その最たるものだ。市東さんの南台農地への移動時間は4倍に増加した。なぜ市東さんの営農がNAAの私的利益追求の犠牲にならねばならないのか。農業こそ人間の生存に不可欠の社会的生産だ。
成田市は、市東さんに対する一方的な通告のみで、一日200台もの車両が利用する道路を廃止した。地方自治の執行者としてあるまじき暴挙だ。そこには成田市の固定資産税収入の6割が成田空港関連という空港依存体質の問題がある。
終わりなき「完成」への成田空港のあがきは、地獄への道を舗装するものだ。新自由主義のもとで、資本の存在そのものが人間を破壊している。生産活動の担い手である労働者・農民が、社会の主人公として実力を発揮する時だ。市東さんの闘いは絶対に負けるわけにはいかない----。
鎌倉証人の圧倒的な論旨に傍聴席から大きな拍手が湧いた。NAA・成田市は反対尋問を放棄し沈黙。次回2月27日には、成田市の元土木部長・中村壽孝の証人尋問が行われる。
閉廷後に近くの会場で報告集会が開かれ、鎌倉さんが勝利感を湛えてあいさつした(写真左、右は葉山岳夫弁護士)。続いて、弁護団がこの日の勝利を確認し、証人全員採用への決意を表した。動労千葉が連帯発言し、最後に太郎良陽一さんが1・8旗開きデモへの結集を訴えた。