大地の響き 投稿コーナー

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週刊『三里塚』02頁(0980号02面03)(2017/11/27)


大地の響き 投稿コーナー

息づかい感じた援農
 青年労働者 三橋 誠

 2人で三里塚闘争に2日間参加しました。
 11月6日の請求異議裁判傍聴では、早期結審へ向かおうとする裁判所との白熱した闘いでした。裁判長は市東さんと萩原さんだけまず証人尋問したいと繰り返し、早く裁判を終わらせたいという衝動を隠しませんでした。農地取り上げの攻防であると肌感をつかむことができました。
 その後、三里塚現地に向かい、現地調査を行いました。夜、現闘の仲間との交流会で、火炎瓶などで武装して闘った時の昔話が面白かったです。
 援農は市東さんの畑で、落花生の「のう積み」を手伝いました(写真)。畑に育つ落花生を見るのも初めてで、最初は難しい作業かと思いましたが、現闘のみなさんが丁寧に教えてくださったので、予想以上にスムーズにできました。
 統一委員会の方が作ってくださった昼食は、バツグンに美味しかったです。そのなかで、市東さんから、悪天候による苦労話なども聞かせていただきました。三里塚闘争は空港会社だけではなく、天候との闘いであることを実感しました。
 最近、三里塚関連の映画などで、「もう終わった闘い」「過去のもの」との印象を植え付けようとしていますが、映像と現実はまったく違います。農作物はウソをつきません。市東さんの宅地には、息づかいがあり、豊かさがあります。一方で、一刻も早く土地を奪いたいという国・機動隊との歴然とした対決構造が、道路やフェンスを隔てて毎日、毎日、展開されています。三里塚闘争は現に今、沸騰しているリアルな闘いです。
 韓国やドイツのビッグゲストが訪問した直後でしたが、市東さんをはじめ反対同盟の皆さんは、「また来いよ」「今度来たら、お酒でも飲もうね」と歓迎してくれました。また、参加したいと思います。

請求異議裁判を傍聴
 農地を守る会・福島 椎名千恵子

 8月「市東さんの農地を守る会・福島」総会で、反対同盟・伊藤信晴さんの「攻防が緊迫している。1人の決起が力関係を決定する」との熱烈な呼びかけに突き動かされ、11・6請求異議裁判に参加しました。
 法廷が始まる直前。遅れて気が引けている私に声がかかる。うながされ、法廷内での攻防に臨む境地が整う。裁判は、まさに「国家の暴力装置」。強制執行が「権利の濫用」であり許されないと弁護団が追及。証人申請をしても、裁判長はNAA代理人にふって「証人必要なし」の結果を誘導するありさま。その都度、弁護団は激しく弾劾。傍聴席からも抗議の大きな声が上がる。三里塚の裁判は実力闘争そのものです。弁護士と傍聴者が一体となって力関係をリアルタイムでつくる直接闘争の場と化していきます。三里塚闘争が52年間の闘いで開いた地平は壮大です。労農連帯の説得力が、国際連帯へと大きくウイングを伸ばしています。
 いのち抹殺、分断を強制する国家と資本を打倒せねばなりません。その根源に立てば一層、絶対反対の労農連帯の意義は揺るぎない。傍聴席で核心をつかみながら勝利感が漲っていきます。
 裁判所内で「解放区」さながらの勢いをつけ、拙速訴訟と対決し、次回尋問強行を撤回させた勝利。しかし、ここからが正念場。福島からどれだけの結集をはかれるか。私は鋭く問われました。
 福島では、国が加害者としての事故責任を認めないばかりか、国(厚生労働省)の外郭団体による「立ち退き訴訟」という形で自主避難者を追い込む攻撃をかけてきています。11月16日、5回目の署名提出・申し入れ行動の際、県は来年9月仮設住宅追い出しの「避難者を提訴する」考えを明らかにしました。検討委員会は、甲状腺エコー検査の縮小に向かっています。断じて許せません。
 「負けない闘い」を福島でこそ組織し、その主体が、市東さんの農地を守る闘いに決起する。そこを目指していくことが、来年の3・11反原発福島行動への射程だと据えました。

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