騒音もうごめんだ! 各地の説明会で怒りが噴出 強化案は白紙撤回しかない

週刊『三里塚』02頁(0980号02面01)(2017/11/27)


騒音もうごめんだ!
 各地の説明会で怒りが噴出
 強化案は白紙撤回しかない

(写真 横芝光町の説明会でも住民の反発が相次いだ【11月8日】)


 成田市、多古町、横芝光町で行われている「空港機能強化見直し案」の説明会で、芝山町に続き激しい反対の声が上がっている。
 横芝光町では10月29日から説明会が始まった。12月2日までの予定で行われる。10月29日には、「空港騒音 断固反対」の看板が建てられた中台部落で説明会が行われた。「6時から23時の飛行時間を厳守しろ」などの激しい反対の声が上がった。
 11月8日には、同じく看板を建てた木戸台、小堤(おんづみ)部落を含む7部落を対象とした説明会が行われ、激しい反発の声が相次いだ。
 木戸台の男性は、静穏時間確保のためとして示された「スライド運用」(※)をしても木戸台はA・C(第3)滑走路騒音区域に挟まれ飛行機が飛ばない時間が4時間半しかなくなる」と厳しく追及し、「(見直し案での)スライド運用で静穏時間を6時間に増やしたというのは詭弁(きべん)だ」と発言した。

「理解得られず」と佐藤町長答弁

 11日にはJR横芝駅周辺の繁華街を中心にした横芝、古川地区を対象にした説明会が開かれ、激しい追及が行われた。横芝地区の住民Aさんは、まず、佐藤晴彦町長に対して「町のホームぺージの『ようこそ町長室へ』の欄で『栗山川の流れがはぐくむ人・自然・文化が共生するまち』『伝統文化自然豊かな風土に築かれた横芝光町の魅力に触れていただける』などと書いておきながら、今回の空港機能強化案について、町民の誰しもが反対しているのになぜ『反対』と言えないのか」と追及した。さらに国交省とNAAに対して、「4時間しか眠れない環境を強制することは、憲法で保障された健康的で文化的な生活の権利を奪うことになる。他の空港や基地では、裁判で(飛行制限を拡大して)改善させたところもある。今回説明会を開いたんだからそれでいいとはならない。計画に反対する」と畳みかけた。
 別の古川地区の住民Bさんは、町長に対して「今回の説明会で住民の理解を得られたと思うか」と迫り、町長の「理解を得られたとは思っていない」との答弁を引き出した。そして、国交省官僚の「厳しい意見を頂いたが今後も理解を得られるよう努力します」との居直りに弾劾の声が上がった。

「見直し案」反対は地域全体の声

 翌日開かれた栗山地区とその南側の地区全体を対象にした説明会でも「屋外の騒音は防ぐことはできず、負担が大き過ぎる」「騒音が拡大すれば子や孫に故郷を残せない」との切実な反発の声が続出し、13日の朝のNHKニュースでその模様が全国に流れた。
 10月25日の芝山南部地区説明会での住民の決起がバネとなって、「見直し案反対」の声は、空港南北地域全体の住民の声へと広がり、″燎原の火〟の様相を呈してきた。羽田の新飛行ルートに対する怒りも燃え上がっている。焦った推進派は11月10日、政府・NAAの意を受け、反対同盟を誹謗中傷するビラを、新聞折り込みを使って芝山、横芝光町にまいた。しかし、逆に住民の怒りの火に油を注ぐ結果となっている。
 国交省、NAA、千葉県などが、やがて仕掛けてくるであろう「4者協議会」での「空港機能強化見直し案」の承認強行、計画推進の攻撃に対して、反対同盟と支援連は広範な周辺住民の怒りと結合し、断固対決する決意だ。

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※スライド運用
 A、B、C(第3)の滑走路を「AとB」、「AとC」の2グループに分け、「朝5時から23時の早番」と「朝6時30分からと24時30分の遅番」を作り、両者を定期的に入れ替えることで「6時間の静穏時間を確保する」というもの。入眠、起床時間を定期的に変えなければならず、A、B、C滑走路の騒音区域に挟まれる「谷間地域」にはそもそも関係なく、20時間の騒音が襲いかかる。

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