新やぐら裁判 早期結審策動と対決 〝明け渡し請求は無効だ〟
週刊『三里塚』02頁(0979号02面02)(2017/11/13)
新やぐら裁判
早期結審策動と対決
〝明け渡し請求は無効だ〟
(写真 街頭宣伝の先頭に立つ太郎良陽一さん【30日 千葉市】)
10月30日、新やぐら裁判が千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で開かれた。
この裁判は、市東さんの天神峰の畑に立つやぐら・看板などの4つの物件について、NAAが、所有者である反対同盟に対し「収去と土地の明け渡し」を求めて訴訟を起こしたもので、農地強奪判決の執行を阻む重大な位置にある。
今回弁護団は、NAAの明け渡し請求が無効である重大な理由として、農地の賃貸借契約の解除の条件である「離作補償の支払い」が行われていないことを追及した。
県知事が解約の条件として「支払い」を明記したのだから、それが実行されなければ解約は無効だ。だがNAAは、〝市東さんが農業をやめて出て行く気配がないのだから「後払い」でいい〟という態度だ。供託もしていない。
さらに弁護団は、小作地の収奪は憲法第25条の生存権、同29条の財産権を侵すものであることを厳しく指摘した。
「専門家証人の準備とその意見書の提出について、進行状況はどうなのか」と、裁判長が唐突に弁護団に尋ねてきた。「予定人数は? 意見書の提出時期は?」と矢継ぎ早に質問してくるのに対し、弁護団が現状と見通しについてていねいに説明すると、「そんなには待てない」「努力が足りないのではないか」と高圧的に迫ってきた。
何をふざけたことを言うか! 弁護団は複数の三里塚裁判を同時に担い、多忙を極めている。何よりも市東さんの営農と生活がかかった重大裁判を、拙速で行おうとすることなど絶対に認められない。弁護団は怒りを込めて激しく抗議し、傍聴席からも怒声が集中した。
裁判長はなおも執拗に「早さ」を求め、半年以上先の7月まで3回の期日を強引に指定した。次回は1月22日。
閉廷後に近くの会場で報告集会が開かれた。萩原富夫さんが、「裁判所の思い通りにはさせない。すべての裁判毎回が真剣勝負。全力で闘う」とあいさつした。
続いて各弁護士が内田裁判長のむき出しの拙速裁判策動を強く弾劾した。
その後、反対同盟と支援連は情宣活動を行い、署名を労働者・市民に訴えた。