伊藤信晴さん、太郎良陽一さんが語る 〝闘争破壊策動許さぬ〟 --三里塚闘争、現在の攻防の焦点--

週刊『三里塚』02頁(0978号02面03)(2017/10/23)


伊藤信晴さん、太郎良陽一さんが語る
 〝闘争破壊策動許さぬ〟
 --三里塚闘争、現在の攻防の焦点--


 伊藤 島寛征・石毛博通による『三里塚燃ゆ』という本が出ている。絶対反対の闘いをつぶすことを自らの使命として、歴史を歪曲し得手勝手なことを述べている。
 太郎良 自慢気に語っている「シンポ・円卓会議」での国の謝罪や事業認定の取り下げは、反対同盟が闘い続けているために、そうせざるを得なくなったのであって、彼らの手柄ではない。
 伊藤 当時は2期工事が進まない中で権力も追い詰められていた。「シンポ・円卓会議」の狙いは反対運動をつぶすこと。もし国家暴力で強硬的にやるとなると、団結が健在である以上、闘いは非和解的になる。
 太郎良 謝罪でもなんでもして、B滑走路が暫定であろうと出来れば敷地内は落ちると考えた。
 伊藤 人をなめきった考えは一貫している。「3・8」分裂攻撃(※)のときも敷地内をはじめとした農民の主体的決起を彼らは見すえられない。党派が操っているとしか見れない。そこをずっと見誤っている。
 太郎良 「3・8」分裂で反対同盟を破壊された悔しさはやっぱり忘れてはならない。今、一坪再共有化運動を担った石井新二らが、空港機能強化に反対して住民が立ち上がることに対して再び「金を引き出せばいい」と条件闘争に持ち込もうとしている。彼らの策動をつぶさないと「3・8」分裂攻撃と闘った先輩たちに申し訳ない。
 伊藤 この間、芝山町議会の傍聴に行ったら、石井が「まだ金にもならないことやっているのか」と言ってきた。住民の決起を金に換えるというのは絶対に許せない。最後的に決着をつけないといけない。
 太郎良 石井らの策動を打ち砕くためにも、市東さんの農地を守る闘いを発展させ、空港機能強化に怒る住民との連帯、全国の仲間との共闘を大きく作り出そう。
 伊藤 「一切の話し合い拒否=空港絶対反対、農地死守・実力闘争」の原則を守り抜き、戦争反対を貫いた北原さんの遺志を引き継ぎこれからも反対同盟は闘う。

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※「3・8」分裂攻撃

 1983年3月のいわゆる反対同盟3・8分裂は、石橋の脱落を契機に同盟を条件派同盟に変えてしまおうとした連中が中心になり、引き起こした組織分裂です」「実行役員会で石井新二が、旧来からあった一坪共有地を1口1万円、1坪を10口に分けて再共有化することによって総額1億5千万円を集めるという計画を提案」「農地死守の旗のもとにたたかってきた農民、とりわけ敷地内農民の憤激するところとなりました」「土地は売らないという反対同盟の大原則をねじまげ〜条件闘争のための資金集めであり、実力闘争からの転換をねらった」(北原鉱治『大地の乱』)
 「北原事務局長に対して『中核派にひきまわされている』などと誹謗を開始する。『同盟員を批判した中核と手を切れ』という。〜われわれは承知しなかった。そこで彼らは分裂総会を強行した。だから『3・8分裂』は、彼らの三里塚闘争からの脱落だ」(萩原進『農地収奪を阻む』)

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