横芝光町で映画講演会 〝三里塚は谷中村引き継ぐ〟

週刊『三里塚』02頁(0976号02面01)(2017/09/25)


横芝光町で映画講演会
 〝三里塚は谷中村引き継ぐ〟

(写真 ユーモアを交えつつ映画の解説をする三留理男さん【17日 横芝光町】)

 9月17日、千葉県山武郡横芝光町の文化会館で、「襤褸(らんる)の旗」上映実行委員会による「映画講演会」が開かれ、横芝光町を中心に60人が参加した。講演は、映画製作にかかわった日本を代表する社会派カメラマン・三留理男さん。
 動労千葉から横芝光町在住の渡辺靖正佐倉支部長、匝瑳市の小川浩全国農民会議共同代表なども加わり、田中正造の英雄的苦闘を描いた映画を鑑賞した。
 この映画は、松竹の名監督・吉村公三郎がメガホンをとり、宮島義勇が撮影している(宮島は動労千葉の国鉄分割・民営化反対ストライキの記録『俺たちは鉄路に生きる』の監督としても知られている)。三国連太郎、西田敏行をはじめ有名俳優が多数出演。さらに北原鉱治事務局長をはじめ、反対同盟が多数エキストラ出演するとともに、闘争シーンなど多数が三里塚現地ないし周辺で撮影されている。映画冒頭「三里塚反対同盟の協力に感謝する」の一文が映し出される。
 宮本研による脚本も2時間という長さを感じさせない骨太なものだ。明治の国策に対する農民の激しい抵抗闘争、足尾銅山労働者との労農同盟、日露戦争反対の反戦闘争、帝国主義批判、そして、「この谷中村から日本が新たに立ち上がるのです」(田中正造)との「革命」に近いテーマ等々。すべてが今に通じている。鑑賞した来場者は感銘を受けた。
 映画終了後、三留理男さんのお話を聞いた。三留さんは、最初に映画製作の裏話を語って座をなごませ、「この映画はよくできていると思う。『七人の侍』よりいい」と語った。田中正造の精神は三里塚闘争に引き継がれている。
 多くの来場者が買い求めた『鉱毒——田中正造と谷中農民』(三留理男著=2013年)では明治以来の革命家・荒畑寒村の言葉「三里塚は谷中村を引き継ぐ」を紹介している。
 講演に続いて、来賓あいさつが行われた。
 小川浩さんは、空港機能強化攻撃を弾劾するとともに、市東孝雄さんへの農地取り上げ問題の重大性および今日の安倍農政を批判、横芝光町の住民と共に農民会議も闘っていくと述べた。渡辺靖正さんは、横芝光町在住で、空港機能強化の説明会にも参加して怒りを感じていることを述べた上で、JRによる水平分業という名の新たな外注化、分社化、合理化攻撃を弾劾。住民の決起が始まった館山の動きも紹介し、「ダメなものはダメと大きく声を上げよう」と呼びかけた。終了後、三留さんを囲んだ懇親会も大いに盛り上がった。
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