団結街道裁判 〝証人全員の採用を〟 裁判長と成田市を弾劾
週刊『三里塚』02頁(0975号02面06)(2017/09/11)
団結街道裁判
〝証人全員の採用を〟
裁判長と成田市を弾劾
9月1日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で、団結街道裁判の弁論が開かれた。
原告・反対同盟側はすでに10人の証人を申請している。「敵性証人」としては成田市の道路行政担当者として廃道処分に直接携わった今泉彰夫、中村壽孝、大山健一郎の3人、NAA幹部の木村雅一、そして小泉一成・現成田市長だ。
これに対し被告・成田市は今回、元土木部長の中村だけを証人申請し、「その他は必要なし」とうそぶいている。市は2010年、市東さんが営農に毎日使用していた市道を暴力的に封鎖し廃道にして、その土地をNAAに格安で譲渡した。この前例のない違法性を押し隠そうというのだ。
弁護団はあらためて、証人全員の採用、特に今泉の証人尋問が必要不可欠であることを強力に主張した。今泉は、乙1として証拠採用されている「報告書」の執筆者だ。廃道の経緯が書かれたこの報告書をもとに、市は「廃道手続きは適法」と言い張ってきた。今泉を証人として出さないというなら、市は乙1を撤回しろ!
ところが阪本裁判長は全力で被告の肩を持ち、「中村証人の証言があれば十分かもしれない。陳述書の内容を見て判断する」と言い出した。
弁護団はこの訴訟指揮に猛然と抗議し、傍聴席からも怒声が上がり廷内は騒然となった。
裁判長は結論を先送りにし、鎌倉孝夫・埼玉大学名誉教授の証人尋問を次回期日の12月12日午後1時半から行うことを確認して閉廷した。
近くの会場で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。最初に弁護団事務局長の葉山岳夫弁護士があいつに立った。「証人採用をめぐり1年以上粘り強く闘いぬいてきた。成田空港の〈公共性〉の虚偽を暴くために鎌倉先生の証人採用をかちとったことは重要だ。農民の命である農地を収奪する強制執行を絶対に阻止する」
連帯発言で動労千葉の滝口誠さんは「9〜10日の動労千葉定期大会で、三里塚への取り組みの方針をしっかりと確立する。10・8全国集会を朝鮮戦争反対の総決起の場にしよう」と訴えた。
市東さんの農地取り上げに反対する会の発言に続き、最後に決戦本部長の太郎良陽一さんが「10・8集会まであと1カ月、今までと画然と違う取り組みの強化を」と熱く訴えた。