北総の空の下で 若者に「反戦」伝え 北原さん逝去
週刊『三里塚』02頁(0974号02面07)(2017/08/28)
北総の空の下で
若者に「反戦」伝え
北原さん逝去
8月9日、北原鉱治事務局長が亡くなりました。享年95。93歳まで現役、2年間は生きるために闘って、静かに息を引き取りました。反対同盟の代表として、常に闘いの矢面に立ち、信念を貫いた一生でした。
戦争中は海軍で、生死を分かつ壮絶な体験の末、生還しました。全ての発言に貫かれた「反戦反核・軍事空港粉砕」の重みを、今更ながら実感しています。北原さんは、戦中体験と反戦メッセージを次世代に伝えるために、全学連大会の参加や、現地調査に来た学生との交流に多くの時間を割きました。三浦五郎さん、鈴木幸司さんが健在だった頃、戦中派トリオと交流した青年が「おじいちゃんたちかっこいい!」と言ったのを思い出します。改めて、改憲阻止、安倍打倒を北原さんの墓前に誓います。
また、北原さんは、月1回の反対同盟一斉行動に精力的に参加しました。宣伝カーで周辺地域を回り、要所要所で辻説法に立ちました。暑い日寒い日、体調を気遣って休みにしようとしても受け入れず、周りをハラハラさせました。第3滑走路建設と空港機能強化案をめぐって、周辺地域に新たな反対運動が立ち上がりつつある今、地域に根ざした反対運動を牽引することで、北原さんの遺志を引き継ぎたいと思います。
告別式ではヘルメット姿の遺影を囲んで、孫たちで1枚、ひ孫たちで1枚、ブイサインの記念撮影。慕われていた好々爺の一面も垣間見ることができました。
北里一枝