第3誘導路裁判 〝騒音は健康を破壊する〟 NAAを徹底追及

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週刊『三里塚』02頁(0972号02面03)(2017/07/24)


第3誘導路裁判
 〝騒音は健康を破壊する〟
 NAAを徹底追及


 第3誘導路裁判が7月11日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で行われた。この裁判は、国とNAAを相手に、成田空港のB滑走路の2500㍍への延長(2006年)、第3誘導路建設(2010年)という二つの変更許可処分の違法を追及し、B滑走路の使用禁止、飛行の差し止めを求める裁判である。航空機の騒音が周辺住民にもたらす健康被害が、最大の焦点になっている。
 厚木基地爆音訴訟では、第4次訴訟で自衛隊機の飛行差し止め請求が二審まで認められたが、2016年に最高裁に退けられた。しかし、飛行差し止めは認めなかったもののWHOの環境騒音ガイドライン及び欧州夜間騒音ガイドラインを判断基準として騒音による健康被害が現れることを認めている。しかし、NAAは「最高裁はこの両ガイドラインについて言及していない」などと述べ判断基準とすべきでないと主張した。
 弁護団は今回、「用語として言及していなくとも、最高裁は住民への深刻な健康被害を認めており判断基準として採用しているのは明らかだ。厚木の10倍の騒音被害を受けている成田空港のB滑走路供用は差し止められなければならない」と突きつけた。科学的知見をねじ曲げようとする姑息なけちつけを許さず両ガイドラインを否定する根拠、見解を明らかにするようにNAAに対して求釈明を行った。
 なお、「強制収用されるはずだった土地に住んでいるのだから、原告市東は騒音を受忍すべき。原告適格がない」などのNAAの暴論に対して前回全面的な批判を行ったが、これに対するNAAの釈明が当日になって出された。次回10月24日の弁論で弁護団から再度の反論及び求釈明を行うこととなった。
 千葉県弁護士会館で行われた報告集会では、この裁判での騒音問題への追及が空港機能強化案を阻止する上でも重要であることを確認した。その後、千葉市内で強制執行反対署名を集める情宣活動を行った。
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