ピンスポット
　元警備責任者、収賄で逮捕
　ＮＡＡの不正事件
　他の元２幹部にも疑い

　７月５日、ＮＡＡで保安警備を担当していた上席執行役員・栗田好幸が、収賄の疑いで逮捕された。栗田容疑者は、地元多古町の建築会社から随意契約での１億３千万円分の物品注文の見返りに数十万円を受け取ったと見られている。
　栗田容疑者は保安警備のトップとして９年間も同じ職場で勤務し、「随意契約でも２００万円以下なら執行役員の一存で発注できることを悪用して、80回にわたり、見返りとしてわいろを受け取っていた。
　問題はこれが氷山の一角であることだ。すでに今回の捜査に関連して、他の元幹部２人が栗田容疑者とともに、２０１５年９月、２泊３日のタイ旅行に行っていたことが判明しており、不正が疑われている。
　また、ＮＡＡの大規模不正事件はこれで３度目だ。02年７月、05年12月にそれぞれ収賄、競売入札妨害で幹部２人が逮捕されている。
　空港反対農民の生活を足蹴にし、「命より金」を金科玉条とするＮＡＡの姿勢からはこうした腐敗は避けられない。「警備のプロ」として不正摘発を専門にしてきた者にしてこの腐敗。他の幹部も推して知るべしだ。