強制執行反対署名を広げ8・10請求異議裁判-10・8集会へ 樫の木まつりが大成功 〝労農学の力でこの農地守る〟
強制執行反対署名を広げ8・10請求異議裁判-10・8集会へ
樫の木まつりが大成功
〝労農学の力でこの農地守る〟
7・9三里塚現地闘争&天神峰樫の木まつりに、共謀罪攻撃を打ち破って180人の仲間が結集し、市東孝雄さんへの農地強奪阻止を固く誓い合った。「空港機能強化案」断固阻止で立ち上がった周辺住民との連帯が前進し、三里塚闘争の半世紀にわたる不屈性への共感は海を越え、韓国・済州島(チェジュド)の新空港建設反対の闘いと結びついた。国家による戦争・棄民政策と闘う福島―沖縄―三里塚を貫く団結はますます固った。8・10請求異議裁判&千葉地裁デモに結集し、今夏の熱い闘いで安倍政権を打倒し、10・8全国集会に攻めのぼろう!
7月9日、三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけで、三里塚現地闘争と天神峰樫の木まつりが開かれた。全国から労働者・農民・学生・市民180人が結集し、さらに韓国済州島の新空港反対運動を闘う住民が駆けつけ、ともに勝利を誓い合い、大成功した。
灼熱の太陽のもと、正午を前後して全国の人びとが市東さんの南台の耕作地に集まった。作物はのびのびと力強く育っているが、周囲は鉄板によって囲われ、すぐ向こうをジェット機がひっきりなしに走行し発着している。そして私服警察官や機動隊が参加者を監視するという異様な光景だ。
現闘の同志がマイクを使って一同に説明した。かつてはすぐそばに反対同盟の現地闘争本部建物があり、団結街道がこの畑と市東さんの自宅とを直線でつないでいた。国家権力と空港会社(NAA)は夜陰に乗じてだまし討ち的にこれらを破壊した。そしてこの畑の存在が、空港B滑走路の誘導路をへの字に湾曲させている。NAAはこの土地を強奪するために市東さんを裁判にかけている。
まさにこの場所で日々農業を続けることが、人生をかけた市東さんの闘いであることを参加者は実感した。
決戦本部長・太郎良陽一さんの司会で集会が始まった。最初に伊藤信晴さんが反対同盟の決意として、周辺住民の怒りと結んで第3滑走路を阻止し、市東さんの農地を守る陣形を強化拡大することを宣言した。
続いて動労千葉の田中康宏委員長が連帯発言に立ち、安倍政権の「選択と集中」攻撃による地方切り捨てを断罪し、住民の怒りを組織して新たな闘いへと進む反対同盟との連帯を誓った。
畑からデモ出発
さらに関実、市東さんの農地取り上げに反対する会の発言を受け、炎天下のデモに出発した。
警察の規制をはねのけて、デモは反対同盟を先頭に、市東さんが毎日往復する道を進んだ。団結街道の3倍もの道のりを日々強いられているのだ。宣伝カーからは婦人行動隊・宮本麻子さんがシュプレヒコールをリードした。第3誘導路のトンネルをくぐると、市東さんの天神峰の畑の一角に立つ「強制収用阻止」の立て看板に出迎えられた。この農地も明け渡し強制執行の対象地であり、看板も係争中の物件だ。
参加者は市東さん宅の樫の木がそびえ立つ庭に集合。現闘の同志たちが用意した現地で育った無農薬有機野菜が主役の料理に舌鼓を打った。
済州農民が発言
東峰の萩原富夫さんがまつりの開始を宣言。この日のハイライトは、韓国から訪れた済州第2空港反対委員会の登場だ。カンウォンボ委員長が「済州第2空港絶対反対」の横断幕を掲げて発言に立ち、「三里塚が51年間闘ってきたことに感動しています。みなさんの熱い気持ちを持ち帰り闘います。市東さんの農地を守ってください!」と訴えた。反対同盟と旗や記念品を交換し、「トゥジェン(闘争)!」で心を一つにした。
萩原さんが反対同盟の闘争方針として、8・10請求異議裁判、10・8全国集会への結集を訴え、空港機能強化の攻撃に対しては住民とともに断固粉砕する決意を述べた。
ここで歌の時間に。日韓の労働歌、「反対同盟の歌」などを全員で熱唱して闘争心を高め(写真)、シャンソンで心を和ませた。
群馬、茨城、沖縄の市東さんの農地を守る会、婦人民主クラブ全国協、全国水平同盟、全国農民会議、福島の椎名千恵子さん、全学連の斎藤郁真委員長などが連帯のあいさつを述べた。全国農民会議の小川浩共同代表は、「種子法廃止」「優良農地の転用可能化」などに見られる安倍農政の農家切り捨て、農業の企業への売り渡しを批判し、三里塚とともに闘い抜く決意を述べた。
太郎良さんのアピールに続き、最後に市東さんが大きな拍手に迎えられて締めのあいさつに立った。(要旨別掲)
「今日の樫の木まつりは大成功でした。これからもぜひ一緒に闘ってください」。この勝利感を全員で共有し、団結ガンバロー三唱で一日を締めくくった。
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市東孝雄さんの発言
みなさんの力のおかげで、請求異議裁判をかちとることができました。
あまりにも空港会社のやり方がひどい。裁判の判決は1億8千万円払うからこれでいいんだと。だけどそのお金を別にこっちが欲しいと言ったわけでもないし、向こうも供託も何もしていない。ただ形式だけ言って判決を下す。そういう国策裁判官を絶対に許すことはできません。
その裁判長が沖縄へ行ってまた国策につき従う判決を出した。本当にひどい話です。沖縄と三里塚は、基地と空港とかたちは違いますけど、土地に対する思いは通じるものがあると思っています。私も、この請求異議裁判と耕作権裁判は絶対に勝たなくてはいけない。勝てる裁判でもあると思います。一人でも多くの方に来ていただき、草の一本でも取って、一緒に闘っていただきたいと思います。今日の樫の木まつりは大成功だったと思います。