農地を守りこの地で生きる 6・26耕作権裁判へ 「強制執行反対」署名集めよう
農地を守りこの地で生きる
6・26耕作権裁判へ
「強制執行反対」署名集めよう
三里塚芝山連合空港反対同盟は、6月26日の千葉地裁における耕作権裁判・デモ、7・9現地闘争を呼びかけています。農地の強制収用の攻撃に対して、この地で農業を続けるという市東さんの決意は、国・空港会社(NAA)・裁判所を圧倒しています。農作業が立て込む忙しい中、天神峰・市東孝雄さん、事務局の伊藤信晴さんに今の思いと闘いの決意を語ってもらいました。
天神峰・市東孝雄さんに聞く
後から来たのは空港だ
----請求異議裁判が始まりました。
裁判闘争への支援本当にありがとうございます。みなさんの支援があるから自分も闘えます。最高裁判決ですべてを終わらせようとしたけど、そうは問屋がおろさない。NAAは請求異議は却下されると思っていたんじゃないかな。ただ、そんなには楽観していない。裁判所がこっちの言うことを聞いているなと思っていると急に態度が変わってくるということが、これまでも繰り返されてきた。結局、国側、空港会社側に立つというのが今の裁判所だということは骨身に染みている。だからこそ、気を抜かずに徹底的に攻めていきたいね。
----この間、国とNAAは「収用されるはずの土地だった」とか「自らの意思で騒音の発生源である空港敷地に住んでいる」と言っています。
そういうことを言うんだったら、うちの方が先だよね。じいさんの代から100年経っているんだから。後から来たのは空港の方だ。それに第3誘導路はもちろんB滑走路も全部自分が帰ってきた後の話だ。計画があったって事業認定を取り下げ、土地収用法は失効している。
----順序があべこべですよね。
結局、彼らは三里塚闘争を全然知らない。他人の土地だと思って適当なこと言ってやりすごそうとしているんじゃないかな。
----耕作権裁判では、畑の位置の特定がでたらめで、署名の偽造も明らかになっています。
本来であれば、裁判自体が却下されてしかるべきだよ。だいたいNAAが原告として訴訟を起こしたんだから本当は向こうがもっと主張を出すべきなんだよ。裁判所にお任せという感じで、空港さえ造っちゃえばあとはどうでもいいという体質がある。今の空港機能強化案でのNAAの住民への説明会でも自分の言い分を並べるだけ。
耕作権裁判は絶対勝ちたいよな。
〝空港と共存共栄〟は嘘
----空港機能強化案(第3滑走路建設、B滑走路の1000㍍延伸、飛行時間の3時間延長)反対で周辺住民が声を上げています。
滑走路予定地である芝山住民からの反対の声が重要だね。共存共栄だっていったって嘘っぱちだ。三里塚も多古も町がさびれちゃっている。ハブ空港だ、国際競争に負けてるだとか何十年も前の議論を今さら蒸し返しても何の説得力もない。決戦本部のがんばりが敵を追いつめている。
----安倍の進める改憲、共謀罪、愛国教育についてどうですか。
共謀罪は一般の人は関係ないって言って進めているけど、おそらく成立してしまえば、集会やデモ、反対運動そのものに対して締め付けが来ると思う。森友学園や加計学園の問題で自分たちはやりたい放題。本当にひどいよね。
----安倍は種子法廃止法案に続いて農業競争力強化支援法案の衆院通過を強行しました。
安倍は日本の農業は大事だと口ではいいながら、実際は海外の企業に売り渡そうとしている。日本の農業の問題は、農業ではお金にならず、生活ができないということ。後継者がいないということだよね。だけど、新卒の初任給くらいを息子に出すことができれば継ぐ人はいると思うんだよね。農業は面白いし、やりがいもある。
----どの辺が面白いと感じるところですか。
天候とかいろいろな条件に左右されながら、作ったものが必ずしもうまくいくとは限らない。逆にうまくいったときは喜びがある。そして、去年はこうだったから今年はこうしようとか試行錯誤しながら考えるのが楽しいんじゃないかな。
----去年は里芋の出来がよかったですよね。今年は、どんな野菜がうまくいきましたか。
やっぱり今は玉ねぎかな。この前ニンニクを掘りとったけど、これも去年よりは良いかな。これからまだ夏にかけて、なす、ピーマン、ズッキーニ、キュウリ、にんじんと野菜がどんどんでます。こだわりのモロッコインゲンはみなさんに食べてもらいたいですね。
----毎年、福島・沖縄に行かれていますが、どう感じていますか。
国策というのはやっぱり同じだね。沖縄では基地が押し付けられ、福島だって復興だと言ったって全然されてないのに安全だから帰れと。形は違うけど、やり方は同じ。だから自分も連帯して闘いたいと思っている。
----全国の人へのメッセージをお願いします。
自分はこの地で自然体でやっています。一人じゃ何もできないから支援をお願いしたいけど、みんないろいろ生活をかかえているから難しい問題もあると思う。働くということが大変な中、遠くから何時間もかけて現地調査や援農に来てくれることには本当に頭が下がります。自分はここでがんばって農業をやるということで、日々職場やキャンパスで闘っている人たちと同じ闘いをやりたいと思う。ぜひ現地にも来てください。みなさんが来てくれることで自分も元気になります。