大地の響き 投稿コーナー

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週刊『三里塚』02頁(0964号02面08)(2017/03/27)


大地の響き 投稿コーナー

星野と三里塚は一つ
 徳島・星野さんを救う会 山川英之

(写真 星の木の前で)

 徳島からはなかなか来れないので、3・11フクシマの帰りに三里塚現地に寄らせてもらった。駅まで車で迎えに来てくれた太郎良さんとは初めての出会いだが、旧知の思いがした。余分なものを削り取った温かさと芯を感じた。
 集会には何度も来ているが、現地を回るのは初めてだ。フェンスに囲まれた畑にはネギとニンニクが植わり、春を待っている。思っていたより広く、石ころ一つない。開拓農民の汗と喜びがしみこんでいる土だ。大木よねさん、萩原進さんの墓、団結街道......。周りの景色は変わったが、今なお空港を阻んでいる。星野さんもここにいたのだ。
 強制執行前夜の緊迫感の中、市東さんと現闘は春野菜の苗づくりを淡々とやっている。気負いを感じさせないところがすごい。50年の勝利の地平が横たわっている。農民と労働者が守りぬいてきた三里塚と動労千葉。獄中42年! 完黙非転向で闘いの地平を堅持してきた星野さん。
 韓国・民主労総に労働者党創成の苦しみがあるように、私たちには闘いを100万人に広げる苦しみと喜びがある。
 トランプ、安倍に展望があるわけではない。現空港を2倍にする朝鮮侵略戦争のための第3滑走路建設。出撃最前線基地としての辺野古新基地建設。JRの外注化・非正規職化。動労水戸の被曝労働拒否闘争が、フクシマの怒りと結び付いたように、怒りを一つに集めて燎原の炎とする時がきた。
 沖縄闘争で無実なのに無期30年。「全証拠開示・再審」の星野100万署名を軸に、無期刑の終身化許さず「30年問題」と言う脇腹をさらした国家権力を攻めたて、今年こそ必ず星野さんを取り戻す。

裁判後に現地訪問
 全国農民会議・事務局 山口敏昭

 3月2日の請求異議裁判第1回弁論に参加した。動労総連合・新潟の仲間と3人。まだ暗い時間に出発し、高速に乗り車を走らせたが、到着は開廷の10分前だった。みなさんのはからいで3人とも傍聴させてもらい、本当に感謝している。
 弁護団が陳述の冒頭に、「成田空港会社はウソつきだ」と激しく弾劾したのにはびっくりした。この迫力こそ三里塚闘争50年が培ってきた力である。油断はできないが、裁判長も原告の主張を検討する姿勢を示した。NAAと裁判官を圧倒していることを実感した。
 報告集会後、せっかく来たからと思い、三里塚の現地を訪ねることにした。
 決戦本部を訪ね、陣中見舞いを届け(写真)、市東さんの畑を見て回り、初めてやぐらにも登った。誘導路を通る飛行機が間近に見える。機内の人間も見えるほどだ。ここに闘う拠点が残っていることに本当に勝利を実感できる。
 決戦本部では、伊藤信晴さんと太郎良さんが説明してくれた。「敷地内に多くの土地が収用されずに残っている」と、自作の地図を広げて勝利の確信を語ってくれた。また、第3滑走路の騒音地帯になる地域の農家には、この際に田畑も売り払い、農業をやめようという人もいるとのこと。まさに日本農業の縮図がここにもあった。
 雨であったが敷地内を案内してくれるということで、東峰神社と東峰共同墓地を見てきた。大木よねさんと萩原進さんのお墓に手を合わせてきた。死してなお農地死守の闘いを貫いている2人の姿(決して2人だけではない)を深く胸に刻んだ。
 市東さんの農地強奪に対して、どんなことをしても現地に駆けつけることを強く決意した一日だった。

大地の豊かさに感動
 全学連書記次長 森幸一郎

 2年ぶりに三里塚の大地で農業を手伝いました。1日目は萩原さん、2日目は市東さんの畑で行い、短くも充実した時間を過ごしました。
 萩原さんの畑ではトウモロコシの作付けなどをしました。子どもたちがカレーを作ってくれて、慣れない作業も最後まで元気にやることができました。ジャガイモがほんとにうまかった!
 2日目は雨だったため、からし菜の漬物を仕込む作業を手伝いました(写真)。からし菜にゴリゴリ塩をすりこむ作業が印象に残っています。こんな作り方見たことないぞ、って(笑)。
 いつもと変わらない三里塚の風景。土の匂い。太陽の匂い。雨の匂い。これまでは何も考えずに淡々と農作業をしていましたが、今回は色々思うことがありました。
 土の中で野菜が成長するのは不思議だなとか、土に栄養があるって面白いなとか、そういえば農業ってメチャクチャ歴史長いのに未だに虫や雑草とかに悩まされてるんだな、とか。どうでもいいことかも知れないけれど、都会のスーパーで野菜を見てもそんなことは考えない。
 自然と向き合うからこそ、考える。
 人間はそうやって自然と向き合い、格闘し、歴史を継承してきたんだなと思いました。
 三里塚の豊かな大地もまた、多くの格闘、葛藤、そして悦びの中から産みだされた歴史の結晶だと思います。だからこそ、心打たれるものがあります。この三里塚の豊かな大地を守り、未来につないでいくことが現代に生きる青年・学生の使命だと思います。
 この想いをもっといろんな人に伝えたい。市東さん、萩原さん、そして支援のみなさん。次に来るときは、たくさんの新入生と一緒に来ます。
 どうもありがとうございました。

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