請求異議裁判 NAAの違法を追及 市東さん〝強制執行を許さない〟
週刊『三里塚』02頁(0963号01面01)(2017/03/13)
請求異議裁判
NAAの違法を追及
市東さん〝強制執行を許さない〟
(写真 市東さんを先頭に千葉市街をデモ【2日】)
請求異議裁判で、空港会社の違法を徹底追及し最高裁判決を執行させない前人未踏の闘いが始まった。強制執行停止の保証金緊急カンパ貫徹とともに産直野菜をとり反対同盟農民の闘いを支えよう。三里塚現地闘争本部が発行する労農連帯パンフを活用し、仲間とともに3・26全国集会(成田市赤坂公園)に集まろう!
「今日の弁論で、強制執行を止めるために、この裁判は本当に重要だし、闘えると感じた。運動を広げる新たな署名も考えたい」。裁判闘争を締めくくる報告会の最後で、萩原富夫さんはこう述べた。110人が結集したこの日の闘いの勝利感、高揚感を象徴した瞬間だった。
3月2日、市東孝雄さんに対する農地強奪判決の強制執行を阻止するための「請求異議裁判」の弁論が、千葉地裁民事第5部(高瀬順久裁判長)で開かれた。
裁判に先立ち、午前9時から千葉市中央公園で決起集会が行われ、最初に反対同盟事務局を代表して、萩原さんが「市東さんの農地を絶対に守りぬいていきたい」と訴えた。
動労千葉の田中康宏委員長が「反対同盟と共に闘い勝利したい」と3月ダイヤ改定に反対しストに立つ決意を述べるなど、連帯発言を受けたのち、意気高くシュプレヒコールを上げて千葉地裁に迫るデモに出発した。
「成田空港会社(NAA)よ、あなた方はうそつきだ!」
10時30分、70の傍聴席を満席にした法廷では、冒頭、激しい一喝ののちに、顧問弁護団が訴状の内容を陳述した。運輸相やNAA社長が謝罪し、強制執行をやらないという意思を公的・社会的に明らかにしたにもかかわらず、NAAが強制執行の請求を行うことは許されないなど、請求異議の理由を迫力をもって展開した。
続いて市東さんが陳述書を読み上げた。「空港公団は父東市に知らせず小作地を買収した。そんな違法な手段をとったNAAが、私から小作地を取り上げることは許されない」と喝破する。空港会社の代理人は、「早く終わってくれ」と祈るかのように、じっと下を向くばかり。
市東さんが「NAAの不当な強制執行に対してはあくまで闘う覚悟。強制執行を認めない判決を裁判官に強く求める」と締めくくると、法廷は熱い拍手で包まれた。
弁論後、千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。市東さんは「新たな裁判が始まり、またひとつNAAを追い込んだ」と手応えを語った。
すでに確定した判決の執行請求に異議を訴えて、口頭弁論が開かれるのは非常にまれと言われる。さらに「1回で審理打ち切り」の暴挙も許さなかった。耕作権裁判や新やぐら裁判でもNAAを追いつめている。「判決は確定しても執行はさせない」という前人未踏の大反撃へ、われわれは勇躍踏み出したのだ。次回の裁判は5月25日。市東さんの決意、弁護団の解説と連帯発言で、闘いの展望は大きく広がった。この「執行させない」力を生み出すものこそ、3・26集会の大結集だ。「最高裁判決をひっくり返す」の意気で3・26集会に結集しよう。