一坪裁判で反動判決 土地強奪認め県を救済
週刊『三里塚』02頁(0962号02面02)(2017/02/27)
一坪裁判で反動判決
土地強奪認め県を救済
(写真 新たな国鉄闘争の発展を誓い合った)
千葉地裁民事第5部(高瀬順久裁判長)で2月16日、一坪共有地裁判の判決が行われた。判決は、千葉県による一坪共有地強奪を容認した不当極まりない反動判決であり、満身の怒りを込めて弾劾する。
一坪共有地運動は、成田空港建設絶対反対運動の一環として、1966年に三里塚芝山連合空港反対同盟が結成された直後から展開されてきた。本件の一坪共有地は4千㍍滑走路北端の敷地外にあり、鈴木いとさんと故鈴木幸司さんが共有権を持つ土地である。千葉県が成田国際物流複合基地事業の一環として造成して地上げ屋同然にNAAに売り渡すために強奪しようとして提訴したものである。裁判は2006年以来10年余にわたって闘われてきた。
一坪共有地は「三里塚地区周辺に土地をもつ会」という組合の「合有」であるため個人的売買が禁止されており、そのために33名の共有者から個人的に買収することは違法・無効である。しかし、判決ではこれを良しとした。
また、「特段の事情」がなければ認められない「全面的価格賠償」方式が適用され、90万円の賠償金を支払うことで一坪共有地強奪を容認している。さらに、共有地強奪の口実としていた千葉県企業庁の事業が既に破綻しているにもかかわらず、県側を救済し居直った。
裁判の内容からすれば、県が敗訴以外ありえない。しかし、鹿子木康裁判長は空港建設のための「結論ありき」の国策裁判判決を下した。法廷は弾劾の嵐に包まれ、怒号が止まなかった。