TPP講演会に125人 食・農・暮らし崩壊に警鐘
TPP講演会に125人
食・農・暮らし崩壊に警鐘
1月22日、福島県二本松市内で講演会「TPPの真実」(講師・鈴木宜弘東京大学院教授)が開かれ、県内外から125人が参加した(写真)。主催は、福島県の広範囲な呼びかけ人、賛同人による実行委員会で、全国農民会議・福島支部はこの講演会を全力で準備した。
講演の副題は「TPP闘争の勝利と『TPPプラス』の根絶」。アメリカのトランプ政権は、TPP協定から離脱を表明し、日帝のTPP策動は完全に吹き飛んだ。今日、最大の関心事は「TPPプラス」の攻撃にどう立ち向かうかである。トランプの「アメリカ第一主義」は、「米国産業の利益と米国民の雇用を取り戻す」という名目で他国に争闘を挑んで蹴落とそうとしている。鈴木氏は、「農業については日本の関税をもっと下げさせて輸出を増やすことで米国の農業関連産業の利益と雇用が増やせるという理屈になり、日本が一層譲歩させられた日米FTA」が次の問題だと指摘する。昨年強行採決したTPP批准がベースの国際公約して、米国はさらなる上乗せを不可避とする。鈴木氏の講演は、この「TPPプラス」による食と農と暮らしの崩壊を具体的に指摘し、日本農民の立場を解き明かした。
講演は約1時間半。質疑の後、三里塚の市東孝雄さんがあいさつし、農地取り上げ阻止を訴えた。福島から三里塚に共感し、見守っていた人びとは、市東さんの話に聞き入り、深い感銘を受けた。
全国農民会議共同代表の鈴木光一郎さんの報告によると、本講演会の呼びかけ人、賛同団体を募るため労組や生協、全日農などにこまめに足を運んだそうだ。この地道な活動の積み重ねで、呼びかけ人が次々と賛同人を紹介し、農民連など共産党系のところにも呼びかけた。二本松市、本宮市には新聞折り込みを行い、「福島民報」「福島民友」などのマスコミが写真付きで取り上げた。当日の参加者は、郡山市・福島市はじめ会津地区など県全域から集まり、半数近くが初参加だった。全国農民会議の闘いのすそ野を大きく広げた講演会であった。
(大戸剛)