全国農民会議 福島で第5回総会 農地強奪許さぬ特別決議
全国農民会議
福島で第5回総会
農地強奪許さぬ特別決議
1月23日、全国農民会議の第5回総会が福島・二本松市市民活動交流センターで行われた。総会は前日の講演会「TPPの真実」(講師・鈴木宜弘東京大学院教授)の盛況を受け、原発反対、三里塚連帯を強く確認し、全国農民の先頭に立ち安倍政権を打倒する決意を鮮明にさせた。三里塚からは反対同盟の市東孝雄さん、萩原富夫さんと現闘が参加した。
まず冒頭、昨年逝去した世話人の市川勝三さん(山梨)への黙とうが行われた。議長が選出され、彼は市川さんの遺志を引き継いで奮闘することを誓った。
福島県労組交流センターの渡辺馨さん、動労福島の遠藤義人さんが来賓あいさつを行い、「動労千葉と三里塚への破壊攻撃を許さず、外注化を阻止し、闘う拠点を守り抜いて動労総連合の拡大をかちとり、6年目の3・11を福島圧殺をひっくり返す闘いにすることを訴えた。
議案は新潟・小千谷支部の秋山和雄さんが報告し、昨年1年の運動の総括と内外情勢を確認し、17年の運動・組織方針を提起した。総括では、これまでの枠を取り払い、反TPP集会のなどを成功させたことを運動的飛躍として紹介。また、各支部の結成などをかちとり本格的組織建設に前進する自信にあふれたものであった。
特別報告で、市東さんと萩原さんが立った。市東さんは、「昨年の最高裁判決でいつでも強制執行ができるという状況になっています。今年は、いろいろな攻撃があると思いますが全国の皆様の団結の力で打ち返していきます」と決意表明し、萩原さんは「市東さんの農地を守るため決戦本部を立ち上げて、執行させないとがんばっています。昨年50周年ということでキャンペーンを行い、自分たちが運動を組織していくということで成果があった。農民会議も外に出て訴え、農民自身の最左派になろう」と訴えた。
特別報告として福島支部からは、共同代表の鈴木光一郎さんが「昨年、何としても闘いを開始するとして、市東さんの農地を守る会を結成した。三里塚への共感は、時代をこえてある。市東さん決戦に農民会議は立つ」と発言するとともに、前日の「反TPP鈴木講演会」の組織化の経過を振り返り、福島の大衆運動の勢力として農民会議が登場することを報告した。
小千谷支部・堀井修さんは、小千谷支部の昨年の結成を報告し、これからの活動として支部と労働組合とのかかわりの積み上げを呼びかけた。また、12月韓国訪問の報告をし、パククネ打倒の民衆蜂起と韓米FTAによる韓国農民の現状を報告した。
以上の特別報告を受け、総会は議案の討議採択、会計報告などのち、「市東さんの農地・作業所の強奪を許さない」特別決議を採択した。市東さんと萩原さんに岡山の内藤大一さんが檄布を渡した(写真下)。
最後に共同代表の小川浩さんが「全国の農民を組織していく立場でどんどん入っていこう。たたけば響く情勢だ。アメリカはますます日本に農業の譲歩を迫る。TPPに表された安倍農政は、家族農業の解体を迫る。労農連帯、国際連帯で闘おう。市東さんの農地は全国農民の命だ。われわれの側から積極的に参加して、何としても市東さんの農地を守ろう」とまとめた。
戦争・改憲を進め、日本農業を壊滅の危機に追いやる安倍農政に対し、農民の決起が始まっている。総会では、農民の生きる道が労働者階級との団結=労農連帯の中にあることをあらためて明らかにした。この一年の支部結成、組織建設の前進に続き、地域での具体的な活動に取り組むことを誓い合った。
全国農民会議が、日本農民の先頭で安倍「農政新時代」と対決する農民団体に飛躍しうることを確信させる総会であった。