強制執行阻止!市東さんの農地守れ 2・14審尋デモ〜3・2請求異議裁判デモへ 耕作権裁判 千葉地裁包囲第1弾デモ 「署名偽造」を新たに追及

週刊『三里塚』02頁(0961号01面01)(2017/02/13)


強制執行阻止!市東さんの農地守れ
 2・14審尋デモ〜3・2請求異議裁判デモへ
 耕作権裁判 千葉地裁包囲第1弾デモ
 「署名偽造」を新たに追及

(写真 千葉地裁を包囲・追及するデモの第1弾として耕作権裁判の弁論前に「強制執行するな」と訴えた【1月30日 千葉市】)

 2月7日、埼玉デッチあげ弾圧を粉砕し、3人の仲間の奪還をかちとった(記事2面)。今こそ仲間とともにあらゆる闘争現場に駆けつけ、権力の無法・不当の弾圧を暴く闘いに決起しよう。弾圧粉砕の闘いを最深のところで規定しているのが「屈せざる希望」=三里塚闘争だ。不屈の精神を全人民へ広げ学生弾圧を粉砕しよう。職場・キャンパスでの闘いと市東さん農地決戦を一体のものとする最高の武器が、反対同盟50周年DVDだ。まずは仲間を組織し見ることからはじめよう。そうすれば必ず現地に来たくなる。そのときには、割り勘でレンタカーを借りて駆けつけよう。耕作権裁判では、署名偽造にかかわる新たな主張が成田空港会社(NAA)と千葉地裁を追い詰めている。現地では全学連三里塚現地行動隊を先頭に援農・街宣と縦横無尽に闘っている。考えうる闘いをすべてやりきり、2・14―3・2千葉地裁包囲デモへ駆けつけよう。
 1月30日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で市東孝雄さんの耕作権裁判が開かれた。開廷に先立って、反対同盟を先頭とする労農学100人は、千葉地裁を包囲するデモ行進を貫徹した。
 午前9時、千葉市葭川(よしかわ)公園で決起集会が始まった。最初に発言に立った反対同盟事務局の萩原富夫さんは、「市東さんが耕作する南台の農地の一部を成田空港会社(NAA)は、不法耕作だとして市東さんを訴えてきた。それが今日の耕作権裁判だ」「豊かな北総台地の自然を破壊して、空港会社や空港利権亡者の金儲けのための第3空港建設を許さない」と千葉市民に訴え、共感を呼んだ。
 動労千葉から滝口誠特別執行委員が発言に立ち、「第3滑走路建設に対して、北総住民の決起が始まっているが、JRによるローカル線廃止攻撃に対して館山を中心に南総の住民決起が始まっている。両者が手を携えて安倍政権の住民切り捨て攻撃を打ち破ろう」と訴えた。
 100人の労農学は、道路を通行する多くの市民の注目の中、千葉地裁にむけたデモ行進をやりぬいた。
 約70の傍聴席を満杯にして午前10時30分開廷。

本人に書けぬ字

 NAAは、市東家の耕作地位置特定について、孝雄さんの父・市東東市さん(故人)が旧地主と交わしたとされるを唯一「証拠」としているが、東市さんの署名も含めこれらは偽造文書だった。弁護団は今回、NAAが犯した「同意書」「境界確認書」での東市さんの署名偽造の暴挙について、これを決定的に証明する主張を行った。
 東市さんは1985年7月21日に芝山町菱田で開かれた成田用水反対集会に参加した。集会後に東市さんはデモに出ず、「今日は舌がもつれてうまく発言できなかった。しゃべろうとした言葉が出てこなかった」と周囲に明かした。翌日、千葉県救急医療センターで脳外科医師から「軽い脳梗塞」と診断され、同年末までリハビリ治療を行った。
 千葉地裁での空港2期工事差止請求裁判第10回弁論(87年12月)での本人尋問で宣誓書に署名した東市さんの文字は、発症前に比べて筆勢が弱くなっており、健康状態による影響が明らかである。
 88年4月に作成されたとする「同意書」「確認書」の「市東東市」署名は、筆勢が強く乱暴な運筆であり、本人が書けるものではない。署名の偽造は明らかだ。
 さらに弁護団は、市東家の南台賃借地の位置特定問題で、NAAが「予備的主張」として言い出した、「面積は特定されていたが、場所は決めていなかった」という珍説を、具体的事実をもって批判した。もともと空港公団(NAAの前身)は買収交渉のため、3人の賃借権者(石橋、根本、市東)の賃借地の場所を把握していたのであり、今ごろ「南台41ならどこでもよかった」などと言い出すとは自己否定の極みだ。弁護団はNAAに求釈明を突きつけ、この点で徹底追及の姿勢を明らかにした。
 これらの追及はNAA代理人をして心胆寒からしめた。
 近くの会場で報告集会を行い、この日の成果と勝利を確認し、2・14審尋闘争・デモ、3・2請求異議裁判第一回弁論闘争への取り組みを全体で誓った。
 市東孝雄さんの農地をめぐる攻防は、千葉地方裁判所を焦点として白熱化している。

執行停止認めよ

 市東さんの農地法裁判で、最高裁判所が出した「農地を明け渡せ」との反動決定に基づいて、強制執行を実際に担うのが千葉地方裁判所だ。千葉地裁に強制執行をさせない闘いが最大の攻防点となっている。1・30千葉地裁包囲デモは、強制執行の取り消しを求める「請求異議裁判」での3月2日の弁論・デモ、さらにこの本裁判の仮処分請求にあたる「強制執行差止の申し立て」での2・14審尋闘争・デモの闘いへの突破口を開くものとして取り組まれた。
 二つの裁判を担当する鹿子木(かのこぎ)康裁判長に対して、「2・14審尋で執行停止を認めろ」「3・2弁論で強制執行を取り消せ」と要求する重大な闘いだ。全力で駆けつけよう。

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