今日版「ゲートウェイ戦略」 第3滑走路計画を粉砕し安倍の軍事空港政策阻め
週刊『三里塚』02頁(0960号02面06)(2017/01/23)
今日版「ゲートウェイ戦略」
第3滑走路計画を粉砕し安倍の軍事空港政策阻め
(写真 騒対協は空港機能強化の再検討を求めた【1月11日 千葉県庁】)
1月20日、安倍首相は2017年の通常国会における施政方針演説で、「憲法施行70年に改憲政策を推進」を声高に語るとともに、「羽田、成田の2020年4万回の容量拡大」に2年ぶりにふれ、「首都圏空港機能強化」に向けて、内閣としての体重をかける方針を明らかにした。「首都圏機能強化策」は安倍首相が、第1次政権の時に打ち出した「アジアゲートウェイ構想」(2007年5月)の今日版だ。「成田空港機能の強化」攻撃(第3滑走路建設、深夜・早朝便の3時間延長、B滑走路の1000㍍延長)」こそ日帝の勢力圏化をめぐる争闘戦政策である。第3滑走路粉砕闘争は日帝の延命戦略・軍事空港化と激突する重大な闘いであることを明らかにしていきたい。
航空政策の転換
「アジアゲートウェイ構想」は中国やアメリカに対して立ち遅れたアジア市場―勢力圏再分割戦での、体制の体重をかけた巻き返し策だった。「構想」は「はじめに」で「アジアにおいて日本が唯一の巨人である時代は終わった」という危機感に立ち、航空政策が重要であるとして「航空は、人、モノ、カネのすべての交流の基礎となる重要な戦略インフラ(産業基盤)」とした。「構想」を実現するための具体策として、(1)アジア市場での敗勢を巻き返すための、FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)締結とそれをにらんだ航空自由化・空路の充実=巨大空港整備。
(2)全面的な航空自由化による「日本列島丸ごと民営化・規制緩和」。(3)「攻めの農業」と称する国内農業破壊政策を打ち出した。
「最重要項目10」の内でも、「航空政策自由化(アジア・オ―プンスカイ)」にむけた航空政策の転換を真っ先に掲げた。 さらに第2次安倍政権が発足した直後の2013年1月に、シンクタンク・航空政策研究会で講演した佐藤善信航空局長(当時)も「アジアゲートウェイ構想」に基づいた航空政策を進めることを明言し、「航空分野はわが国の経済にとって成長エンジンだ」と述べ、空港機能強化策を強調した。
そして、現在の「首都圏空港機能強化案」「成田空港機能の強化案」である。中味の大半がこの「アジアゲートウェイ構想」に盛り込まれている。アジアで巨大空港が建設される中で、わずか2180㍍しかなかった暫定B滑走路の3500㍍化を打ち出した。運用時間の24時間化も声高に主張している。空港容量の30万回化への拡大を叫び、さらに羽田空港の国際線化も盛り込んだ。このゲートウェイ構想の延長に現在の「成田50万回化・羽田44万回化への容量拡大、中でも「3本目の滑走路を中心とする成田空港の機能強化」攻撃がある。
これは、三里塚農民の激しい抵抗によって、国策中の国策である国際空港政策が、半世紀間遅延させられてきたことへの、帝国主義としての存亡をかけた巻き返し宣言でもある。
軍事空港阻止を
そして、朝鮮侵略戦争の切迫に対応した軍事空港政策であることをはっきりさせよう。必要のない第3滑走路強行の意図は、もう一本の4000㍍級滑走路の建設であり、これは軍用滑走路だ。国策を阻んで51年目の三里塚闘争は日帝権力の基本政策との対決する闘いとなっている。一方、成田の空港機能強化と一体で進む羽田空港の人口密集地上空飛行(新宿、渋谷、品川など)強行に対しても住民の怒りは急速に広がっている。動労千葉を先頭とした労働者との同盟、さらに反乱を開始した農民たちとともに闘うことが両者の攻撃を粉砕する道だ。決起を開始した成田空港騒音下の住民と連帯しよう。日帝・安倍政権との真っ向からの対決に進撃しよう。この闘いの前進で市東さん農地決戦にも勝利しよう。