新やぐら裁判 審理終結策動を粉砕 裁判長がNAA要求を却下
週刊『三里塚』02頁(0957号01面04)(2016/12/12)
新やぐら裁判
審理終結策動を粉砕
裁判長がNAA要求を却下
新やぐら裁判が12月5日、千葉地裁民事第2部・内田博久裁判長で行われ、NAAによる審理打ち切り策動を完全に粉砕した。
この裁判は、市東さんの農地法裁判の中で明け渡しを求めているやぐら・大看板など(畑の一角に位置)四つの物件が反対同盟の所有物であるため、NAAが反対同盟に収去・明け渡しを求めて提訴した裁判である。
前回、本件は空港建設に伴う公共用地取得をめぐる問題であるので「完全補償なき賃貸借解約」は無効であることを追及した。そもそも県知事への「賃貸借解約申し入れ」のためには離作補償が絶対的条件になっているが支払いも供託もされていない。
解約を認めた不当な県知事の許可決定書にさえも「条件、申請書記載の離作補償料を給付のこと」と許可条件として明記されている。これを守っていないのだ。
今回は、これらに対する回答がNAAからなされる予定であった。ところがNAAは何の書面も準備せずに出廷した上、突然、「審理打ち切り」を言い出したのだ。NAAは11月18日付で「訴外市東に対し本件賃借地の明け渡しを命ずる判決」が上告棄却により確定したので「本件は、これ以上の審理の必要はなく、すみやかに口頭弁論は終結されるべきである」などと審理打ち切りを申請していた。
この日の法廷は、NAAによる審理打ち切り策動と真っ向から激突した。NAA代理人に対し、弁護団・傍聴席から激しい弾劾がたたきつけられた。
「打ち切りなどとんでもない、釈明しろ、真面目に審理しろ」。弁護団からも「本日釈明し回答することになっていたはず。何の準備もせず真面目に審理をやらずに審理打ち切りなどとんでもない」。「上告棄却された別件では四つの物件は市東さんの物となっており、本件の反対同盟の所有物との違いについて追及した時、あっちはあっち、こっちはこっち、と弁明していたではないか」「別件の上告棄却を口実に審理終結は成り立たない」等々。
自分らで提訴しておきながら別件を口実に審理から逃亡しようとする理不尽なNAAに対する怒りと怒号で法廷は包まれた。さすがの反動裁判長・内田博久もNAAの申請を認めることはできず、求釈明に答える書面を提出するよう命じた。弁護団・傍聴団一体となった闘いでNAAによる審理打ち切り策動を完全にたたきのめした。市東さん農地強奪の強制執行にむけて審理の終結を策動したNAAの代理人は意気消沈していた。