全学連三里塚現地行動隊日誌 市東農地決戦の先頭に立つ 三里塚で道筋見えた 自然破壊に怒り 全学連三里塚現地行動隊 首都圏学生・S

週刊『三里塚』02頁(0953号02面01)(2016/10/10)


全学連三里塚現地行動隊日誌
 市東農地決戦の先頭に立つ
 三里塚で道筋見えた
 自然破壊に怒り
 全学連三里塚現地行動隊 首都圏学生・S

(写真 10・9集会の後、敷地内デモを闘う全学連の部隊【成田市東峰】)

 私は自然農をしながら自給自足を営む家で育ちました。2011年3月11日を境に自然とともにあった私の生活はできなくなりました。原発事故の影響で避難したからです。畑を耕さず、草や虫を敵としない。そこにある命はすべて価値のあるものなのだという考えからくる自然農は、今の時代に欠けているものじゃないかなと私は思います。
 援農や現地調査を通して、私たちは土から足を離して生きていけないということをあらためて考えさせられました。援農中に触れる植物の冷たさが心地よくて、吹く風が私を慰めてくれるようでした。
 でも、聞こえてくるのはジェットエンジンの音でした。とても自然の中にいる気にはなれませんでした。自然界にはない爆音。これを毎日聞いている草や虫たちは何を思っているのかなと思いました。
 もし、私が畑を耕そうとした時に、生き物達がトラクターの前に立ちふさがってやめろと、住処(すみか)を壊すなと叫んでいるのが聞こえたらやめるのだろうか。その声を無視して、野菜を作るためと言って問答無用で耕すのか。生き物たちを追い出すのか。
 今三里塚では耕そうとしている人の前に立ちふさがっている生き物たちの状態なのかなと思います。それが同じ人間の間で行われているのかと思うと、本当に胸が痛いです。
 私は自然を大事にしたいから、三里塚の闘いや原発反対の闘いと一緒にならなければいけないと思っています。
 人はお母さんのお腹という海から産まれ、大地に育てられてきた生き物です。利益のためお金のために自然が壊されるのは本当に許せません。自然の声を聞かない失礼な行為は許せません。そういう怒りが私の中に生まれています。
 私だったら静かな地を求めて三里塚を出ていく選択をするかも知れません。しかし、農地を守るために、空港建設を許さないで闘うというのは、本当に強い意思を持っているのだと思いました。

お金に屈しない

 三里塚の闘いのように、農地は命なんだと胸を張って農業をする姿も見習うところだと思います。絶対お金には屈しない。農業でさえお金の世界になっている。豚、鶏などが家畜として道具となっている。大量生産、大量消費で貧富の差が激しい。食品添加物であふれ化学物質であふれ、今の私の周りに体にいいと言えるものがないと気づいた時、私は3・11以前の生活がいかに人間にとって、私にとって大事なものだったのかに気づき、それに気づく前の私を許せなくて、せめて2世3世の命を守るんだと決めました。
 それは絶対に地から足を離してはできないと思っています。私の命は土に育てられてきたからです。でも、そのためにも、利益、お金のためと自然を破壊する社会を変えなきゃ、私の住む場所がなくなると思っています。三里塚を見て少し道筋のようなものが見えました。考えて行動していきたいと思います。
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