市東さん宅での援農記 ふかふかの土の感触
週刊『三里塚』02頁(0950号02面06)(2016/08/22)
市東さん宅での援農記
ふかふかの土の感触
職場の同僚がガンを患い、発病から4年間に休職と職場復帰を繰り返した末、2年前に亡くなりました。40歳代前半でした。
それからは、これまで経験しなかったことを積極的にやろうと思うようになりました。
今年になって産直の会から野菜を届けて頂いています。おいしい野菜たちがどんな畑で育っているか興味があって、たった1日だけですが市東さんの畑で援農をしてきました。
当日の作業は、落花生の畑での雑草取り。しゃがんだ姿勢や中腰の姿勢が多くなる作業のため、とくに地下足袋を貸して頂きました。
市東さんから「同じ姿勢を続けていると体を痛めてしまうから適当に姿勢を変えるように。農作業に慣れない頃は脚裏の筋肉が痛かったよ」との助言も(実際にその通りでした)。
畑に到着したら鎌とコンテナを手に持って畑の中を移動、地下足袋を通してフカフカの土の感触が伝わります。
畝(うね)の中には落花生を押し出すように雑草が生えています。草取りを始めると、早速汗が噴き出します。
雑草を抜いていくと実に様々な虫たちが這い出てきます。本当に豊かな土です。
市東さん宅でのおいしい昼食を頂いた後、午後も引き続き草取り。雑草を取り終えた畝から株を覆うビニールを剥がします。これから秋の収穫に向かって落花生はグングン大きく育っていくそうです。
今回印象に残ったのは、のどかな農村風景を引き裂くような異様な光景です。寸断された道路、地下道、フェンスや鉄板の壁など。
見る者を押しつぶしてしまいそうなこの光景をはね返しているのが市東さんの農地です。闘争が始まって今年で50年。絶対反対を貫く農民と現闘はじめ多くの支援者の不屈の闘いが今もしっかり続いています。
現地に行っておいしい野菜が身近になった気がします。市東さん、現闘の方々、お世話になりました。秋のイモ掘り、全国集会にも参加します。
(神奈川県労働者・松原康隆)