「日本で一番危険な原発」 伊方の再稼動弾劾する

週刊『三里塚』02頁(0950号02面02)(2016/08/22)


「日本で一番危険な原発」
 伊方の再稼動弾劾する

(写真 伊方原発が中央構造線のほぼ真上に位置することを示す地図)

 安倍政権と四国電力は8月12日、「日本で一番再稼働してはいけない原発」と呼ばれる愛媛県伊方町伊方原発の再稼働を強行した。断じて許せない。伊方原発の危険性は大きく二つある。
 一つは、4月に熊本大地震をもたらした、日本で最大の活断層である中央構造線が原発のすぐ北6㌔に走っていることだ(図参照)。熊本大地震では本震規模の「余震」が何度も続き、死者88人、負傷者2千173人という大きな被害を出した。
 同じ中央構造線が伊方原発のほぼ真下に走っている。ここで地震が起きれば、被害は熊本地震のレベルでは済まない。だからまさに「一番再稼働させてはいけない」と警告されているのだ。
 しかも、熊本地震では熊本にとどまらず、まさに中央構造線の走っていた大分県でも大きな被害が出た。この時の震源が伊方にまで伸びていてまったく不思議ではなかった。
 その現実を知りながら、大分県をはじめとした周辺自治体の反対を押し切って強行された今回の再稼働ほど許しがたい暴挙はない。

避難ルートなし

 もうひとつは、伊方原発の立地である。同原発は山が迫る海辺に張りついたような場所にある。東西40㌔、最大幅6㌔の佐田岬の付け根にあるため、事故が起きたら避難するルートがないのだ。唯一国道ルートがあるが、5000人もの人間を短時間で避難させるには容量が小さい。しかもこの国道自体が使えなくなる可能性が高い。このことを指摘された四国電力は、「船での避難」などと、子どもだましの言い逃れを言ったが、港自身も破壊されてできるはずもない。まさに「命より金もうけ」の再稼働なのだ。
 この元凶は安倍政権の原発推進政策にある。安倍政権はインフラ輸出に日本経済の延命をかけており、その軸が原発輸出だ。そして、もう一つの理由が「潜在的核武装能力の保持」という核武装・核戦争政策だ。原爆の原料であるプルトニウムを保有するためには、原発という「平和の仮面」が必要だ。
 このプルトニウム保持が核保有に近い軍事的圧力を持つことにつながる。
 8月12日当日、多くの労農学が伊方原発ゲート前に集まり抗議の声をあげた。「被曝労働拒否」を訴えて伊方原発粉砕の先頭に立つ愛媛県職員労働組合と連帯し、さらに闘いを強めよう。

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