団結街道
週刊『三里塚』02頁(0950号01面06)(2016/08/22)
団結街道
「アグリバイオの巨大企業であるM社などは、遺伝子組み換え(GM)種子をさらに拡大していくために、TPPをテコにして、最近はGM食品の表示をなくすことに力を入れている」。反TPP運動の先頭に立つ東大教授・鈴木宣弘さん著『悪夢の食卓』からの引用だ。▼M社とは言わずと知れたモンサント社のことだが、なんと、そのお膝元のアメリカで7月29日、オバマ米大統領が「米国遺伝子組み換え食品表示法」に署名し、遺伝子組み換え食品表示が法律で義務化されることになった▼一見すると、規制が強まったようにみえるが、もちろんそんなことはない。実は表示といってもQRコード(スマホなどで読み取るモザイク状コード)だけで良く、その食品が遺伝子組み換え食品かどうかはいちいち読み取りで確かめなければわからない。事実上の「非表示法」だ▼表示の義務化を求める運動の力で、2014年4月、全米で初めてバーモント州がGM食品の表示義務化法案(EUなみの基準)を可決し、今年の7月1日から施行されていた。オバマが署名した連邦法は、こうした州ごとの法律を無効とする内容まで盛り込まれている▼米国のスーパーにならぶ食品の7割以上にGMが含まれていると言われる。多国籍バイオ化学企業のもうけのために、この「GM非表示法」を加盟国に強制するオバマのTPP強行策動を許してはならない。