新やぐら裁判 底地買収は違法 やぐら撤去要求は破綻

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週刊『三里塚』02頁(0945号02面03)(2016/06/13)


新やぐら裁判
 底地買収は違法
 やぐら撤去要求は破綻

(写真 弁論終了後、弁護士会館で報告会を行った【5月30日】)

 5月30日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)において新やぐら裁判の第5回が開かれ、弁論で裁判長交代に伴う更新意見の陳述が行なわれた。反対同盟は、萩原富夫さん、伊藤信晴さんが傍聴闘争に参加した。  新たに新やぐら裁判と耕作権裁判を担当することになった内田裁判長は、検事を3回、8年間やって東京高裁から右陪席とともに送られて来た裁判官だ。これは両裁判のNAA敗勢を救済するためだ。
 新やぐら裁判は、市東孝雄さん宅前の畑にある反対同盟所有のやぐら・大看板など4件の収去と底地の明け渡しをNAAが不当に訴えている裁判だ。更新意見は、一時間をこえて市東さんの農地明け渡しの違法・不当性を全面的に展開した。
 まず、賃貸するための農地売買は農地法第3条違反である。農地法は、耕作者の農地所有を原則としており、農地法第3条において農地として利用するならば小作人以外に売買することを禁止している。百歩譲って「転用目的」の売買だとしても、速やかに転用せず、長期にわたって農地所有することは農地法第5条違反である。
 そもそも農地の売買は、賃借人である耕作者の同意が必要であり、同意なしの買収は空港公団の用地事務取扱規定にも反した売買である。さらに農地法第20条による賃貸借解約の要件は存在しておらず処分は無効であり、市東さんの賃貸借契約は今も有効であり存続している。また、空港公団本社が1996年まで東京にあった事実は、不在地主の農地所有を禁じている農地法第6条にも違反している。これらの意見陳述は、市東さんの農地の取り上げを徹底的に弾劾するものとなった。法廷は、反対同盟の正義性が圧倒した。耕作者の権利を守る農地法にことごとく反する違法を重ねたのがNAAだ。親子3代・100年にわたって耕作してきた農地を空港によってつぶすことなど許されない。「農地は命」、この市東さんの闘いと一体となって裁判闘争が闘われた。
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