一坪裁判 共有地強奪開き直る敵性証人を徹底追及
週刊『三里塚』02頁(0943号02面06)(2016/05/09)
一坪裁判
共有地強奪開き直る敵性証人を徹底追及
(写真 弁論終了後、報告会を行った【4月28日 弁護士会館】)
反対同盟の鈴木幸司さん(故人)、いとさん夫妻が所有する一坪共有地裁判が、4月28日千葉地裁民事第5部で行われた。この日は2人の敵性証人調べが行われた。1人は、NAA経営計画部空港計画室長の佐久間潔。もう1人は、千葉県企業庁地域整備部土地施設管理課長だった原正則。どちらも共有地を強奪しようとしている側。反対同盟顧問弁護団から鋭い反対尋問が行われ、1時30分に開始された法廷は5時過ぎまでに及んだ。この2人の証人尋問によって、本件の核心である一坪共有地強奪には合理的根拠・必要性がなく違法・不当であることが一層明らかとなった。
県側は、独自の事業計画もないのに造成してNAAに売り渡すためにだけ本件共有地を強奪しようとしていること、共有地強奪の口実としていた「成田国際物流複合基地」事業が大赤字で破綻していること、これ以上拡大する根拠がないのに机上の需要予測で主張していること、仮に工事するとしても一坪共有地を現物分割(金銭的強奪ではなく)で残すことが可能であること、等々が暴き出された。
例えば、実際には北側部分の工事を中止しているのに、南側部分にある本件用地には固執している。鈴木側代理人が「買収は不可能なのだから断念できるはずだ」と追及すると、根拠も示さず「必要だから」と言うのみ。最大の狙いである造成後の売り渡し価格の尋問について言を左右にしたが厳しい追及によって、「70億円余り」と初めて明らかにし、本件土地強奪の意図を裏付けた。「2007年を頂点に貨物需要はもう伸びていない」という事実を突きつけても、「国の経済予測に基づいている」と根拠のない願望を言うのみ。「第3滑走路の新設、B滑走路の延伸」まで言及するや、「またも地元住民を無視するのか、多くの住民が反対してるぞ」と傍聴席からも怒りが浴びせられた。